理論の全作用を、アインシュタイン・ヒルベルト項に理論の中に現れる物質場を記述する項
を加えることで与えられるとする。
![{\displaystyle S=\int \left[{1 \over 2\kappa }\,R+{\mathcal {L}}_{\mathrm {M} }\right]{\sqrt {-g}}\,\mathrm {d} ^{4}x.}](//wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/f0ddaf85bbe0a8b93c8a85f6dabac4880608d4b8)
すると、作用原理は計量の逆数に関してこの作用の変分がゼロであることを言っているので、
![{\displaystyle {\begin{aligned}0&=\delta S\\&=\int \left[{1 \over 2\kappa }{\frac {\delta ({\sqrt {-g}}R)}{\delta g^{\mu \nu }}}+{\frac {\delta ({\sqrt {-g}}{\mathcal {L}}_{\mathrm {M} })}{\delta g^{\mu \nu }}}\right]\delta g^{\mu \nu }\mathrm {d} ^{4}x\\&=\int \left[{1 \over 2\kappa }\left({\frac {\delta R}{\delta g^{\mu \nu }}}+{\frac {R}{\sqrt {-g}}}{\frac {\delta {\sqrt {-g}}}{\delta g^{\mu \nu }}}\right)+{\frac {1}{\sqrt {-g}}}{\frac {\delta ({\sqrt {-g}}{\mathcal {L}}_{\mathrm {M} })}{\delta g^{\mu \nu }}}\right]\delta g^{\mu \nu }{\sqrt {-g}}\,\mathrm {d} ^{4}x.\end{aligned}}}](//wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/6e51d47775902717d36b9f85c107e5cf95c2cee9)
を得る。この方程式は任意の変分
に対して成立するので、

は計量の場の運動方程式である。この式の右辺は(定義により)ストレス・エネルギーテンソルに比例し、

を意味する。式の左辺を計算するために、リッチスカラー R と計量の行列式の変分が必要である。これらの計算は下記に掲げた教科書にみられるような標準的な計算であり、Carroll 2004 には具体的な計算が記載されている。
リーマンテンソル、リッチテンソル、リッチスカラーの変分
リッチスカラーの変分を計算するために、まず、リーマン曲率テンソルの変分を計算し、次いで、リッチテンソルの変分を計算する。リーマン曲率テンソルは次のように定義される。

リーマン曲率テンソルはレビ・チビタ接続
とは独立であるので、リーマン曲率テンソルの変分は次のように計算できる。

ここで、2つの接続の差異
はテンソルであり、従って、この共変微分を次のように計算することができる。

ここで上のリーマン曲率テンソルの変分の表現は、2つの項の差

に等しいということが分かる。
リーマン曲率テンソルの変分は単純にリーマンテンソルの変分の 2つのインデックスを簡約することで求めることができ、次のパラティーニ恒等式(英語版)(Palatini identity)を得る。

リッチスカラーは、

として定義されるので、その逆計量
についての変分は

により与えられる。二行目は、前に得たリッチ曲率の変分の結果と共変微分の計量との整合性
を使った。
最後の項
に
をかけると、全微分となる。なぜならば、

であり、ストークスの定理により、積分するときには境界項でのみ積分すればよい。従って、計量
の変分が無限遠点でゼロとなるとき、この項は作用の変分に寄与しない。さらに、

を得る。
行列式の変分
ヤコビの公式(Jacobi's formula)と呼ばれる行列式の微分規則は、次の式を導きだす。

そうでない場合は、
が対角的になるよう座標を変換して、その後に主対角上の要素の積を変分する規則を適用する。
このことを使うと、

が得られる。この最後の等式を示すことに、

を使用した。この式は、逆行列の変分の規則である

から得られる。
このようにして

を結論付けることができる。
運動方程式
さて、必要な式の変形は全て整ったので、これらを計量場の運動方程式へ代入すると、

を得ることができる。この式はアインシュタインの場の方程式であり、

を選ぶと、非相対論的極限ではニュートンの万有引力の法則であることが分かる。ここに G は重力定数である(詳細は対応原理[2]を参照)。