アギトコッカス属

アギトコッカス属（アギトコッカスぞく、Agitococcus）は、Pseudomonadota門ガンマプロテオバクテリア綱シュードモナス目モラクセラ科の属の一つである^[2]。

アギトコッカス属
分類
ドメイン : 真正細菌 Bacteria 門 : Pseudomonadota門 綱 : ガンマプロテオバクテリア綱 Gammaproteobacteria 目 : シュードモナス目 Pseudomonadales 科 : モラクセラ科 Moraxellaceae 属 : アギトコッカス属 Agitococcus
学名
Agitococcus Franzmann and Skerman 1981[1]
タイプ種
アギトコッカス・ルブリカス Agitococcus lubricus Franzmann and Skerman 1981[1]
種（2024年8月現在）[2]
アギトコッカス・ルブリカス Agitococcus lubricus Franzmann and Skerman 1981[1]

特徴

アギトコッカス・ルブリカス(Agitococcus lubricus)の特性^[1]

特性試験	応答	特性試験	応答
細胞形状	球菌	レシチナーゼ	陽性
細胞長	1.0-2.0μm	トリブチリン分解	陰性
莢膜	有	デンプン分解	陰性
スダン好性	陽性	セルロース分解	陰性
twitching motility	陽性	アルギン酸分解	陰性
GC含量	42.4 ± 1.0 mol%	嫌気性環境	生育不可
オキシダーゼ	陽性	生育温度4°C	生育不可
カタラーゼ	陰性	生育温度15°C	生育可
ベンジジン	陽性	生育温度37°C	生育可
グルコースからの酸生成（O/F試験）	陰性	生育温度41°C	生育可
TSI試験での酸産生	陰性	無窒素培地	生育不可
硫化水素産生（酢酸鉛）	陰性	生育pH5.0	生育不可
TSI試験での二硫化水素産生	陰性	生育pH6.0	生育可
トリプトファンの脱アミノ化	陰性	生育pH10.0	生育可
フェニルアラニンの脱アミノ化	陰性	0.1%SLS水溶液	生育不可
インドール産生	陰性	0.1%NaCl水溶液	生育可
硝酸還元	陰性	0.5%NaCl水溶液	生育可
ウレアーゼ	陰性	1.0%NaCl水溶液	生育不可
ニトロソモナス属細菌用培地	生育不可	ペニシリンG	感受性
ゼラチン分解	陰性	クロラムフェニコール	感受性
赤血球溶血	陰性	エリスロマイシン	感受性
チョコレート寒天培地の脱色	陰性	ストレプトマイシン	感受性
鉄の沈着	陰性	カナマイシン	感受性
Tween 8分解	陽性	ネオマイシン	感受性
Tween 40分解	陽性	酢酸利用	陽性
Tween 20分解	陽性	プロピオン酸グリセロール利用	陽性

語源

学名のAgitococcusは、「振ること」を意味するラテン語の"agito"と「球菌」を意味する新ラテン語の"coccus"を組み合わせた造語である^[3]。

歴史

1981年に、豪州クイーンズランド州の淡水堆積物から単離された新種細菌アギトコッカス・ルブリカス(Agitococcus lubricus)の発見報告とともに提案された^[1]。