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アクアラング (ジェスロ・タルのアルバム)
ジェスロ・タルのアルバム ウィキペディアから
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『アクアラング』(Aqualung)は、イギリスのプログレッシブ・ロック・バンドであるジェスロ・タルが1971年に発表した4作目のスタジオ・アルバム。
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背景
1970年12月に初代ベーシストのグレン・コーニックが脱退し、イアン・アンダーソンの幼馴染であったジェフリー・ハモンドが後任として加入[5]。また前作『ベネフィット』(1970年)に客演したキーボード奏者のジョン・エヴァン[注釈 1]が加入し、ジェスロ・タルは5人編成になった。
本作のレコーディングは、1970年のクリスマス前後の3〜4週間で行われた[6]。アンダーソンはレコーディングに使用されたアイランド・スタジオの音質に不満を持ち[6]、マーティン・バー[注釈 2]も後年「スタジオでは何もかもうまくいかなかったから、バンド・メンバーの間の緊張も高まって、レコーディングは本当に大変だったよ」と振り返っている[8]。「ロコモーティヴ・ブレス(蒸気機関車のあえぎ)」は、まずアンダーソンがバスドラムとハイハットを録音し、それから他のパートをオーバー・ダビングするという手順でレコーディングされ、クライヴ・バンカーはシンバルとタムを担当した[6]。
歌詞は宗教をテーマとしており、批評家からはコンセプト・アルバムとみなされることも多かったがアンダーソンは否定している[9]。
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反響
全英アルバムチャートでは23週チャート圏内に入り、最高4位を記録して通算4度目のトップ10入りを果たした[2]。
アメリカのBillboard 200では7位に達してジェスロ・タルのアルバムで初の全米トップ10入りを果たし[3]、1971年7月にはRIAAによってゴールドディスクに認定され、リリースから18年後の1989年11月にはトリプル・プラチナの認定を受けている[10]。またシングル「讃美歌43番」はBillboard Hot 100で91位を記録[3]。
ノルウェーのアルバム・チャートでは31週連続でトップ30入りし、うち4週にわたり3位を記録するヒットとなった[1]。また、2011年にはリマスターCDが再度チャート入りして35位を記録[1]。日本では初のオリコンLPチャート入りを果たした[4]。
評価
Bruce Ederはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「ハードロックやフォークのメロディと、信仰や宗教に関するイアン・アンダーソンの小難しい考察(組織的な宗教がいかに人間と神の関係を制限しているかというテーマが中心)を融合した、全米7位のヒット作にしては余りにも深遠なレコードで、何百万人ものロック・リスナーの耳に届いたアルバムとしては最も知的な作品の一つ」と評している[11]。
1971年7月22日付の『ローリング・ストーン』誌では、ベン・ガーソンが「音楽的才能は優れており、見事に構築された曲が多いとはいえ、このアルバムは決して突出しておらず、それどころか生真面目さによって台無しにされている」と批判的なレビューを執筆した[12]。しかし、後に同誌が選出した「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」では337位にランク・インしている[13]。
マーティン・バーによるタイトル曲のギター・ソロは、『ギター・ワールド』誌が選出した「100グレイテスト・ギター・ソロ」で25位にランク・インした[14]。バー本人によれば、このソロはワン・テイクで録音された即興で、「もしうまくいかなかったら、このスペースはフルート・ソロになるところだったから、あのソロがうまくいったのは私にとってラッキーだった」と語っている[8]。
収録曲
特記なき楽曲はイアン・アンダーソン作。
- アクアラング "Aqualung" (Ian Anderson, Jennie Anderson) – 6:35
- クロス・アイド・マリー "Cross-Eyed Mary" – 4:08
- 失意の日は繰り返す(チープ・デイ・リターン) "Cheap Day Return" – 1:22
- マザー・グース "Mother Goose" – 3:51
- 驚嘆(ワンダリング・アラウド) "Wond'ring Aloud" – 1:53
- アップ・トゥ・ミー "Up to Me" – 3:13
- マイ・ゴッド "My God" – 7:10
- 讃美歌43番 "Hymn 43" – 3:17
- 後流(スリップストリーム) "Slipstream" – 1:11
- 蒸気機関車のあえぎ(ロコモーティヴ・ブレス) "Locomotive Breath" – 4:24
- 終末(ワインド・アップ) "Wind-Up" – 6:05
リマスターCDボーナス・トラック
- リック・ユア・フィンガーズ・クリーン "Lick Your Fingers Clean" – 2:44
- 終末(ワインド・アップ/クォッド・ヴァージョン) "Wind Up" – 5:22
- イアン・アンダーソン・インタヴュー(抄録) "Excerpts from the Ian Anderson Interview" – 13:54
- ジェフリーへ捧げし歌(BBCセッションズ) "A Song for Jeffrey" – 2:49
- ファット・マン(BBCセッションズ) "Fat Man" – 2:54
- ブーレ(BBCセッションズ) "Bourée" (I. Anderson, Johann Sebastian Bach) – 3:58
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参加ミュージシャン
- イアン・アンダーソン Ian Anderson – ボーカル、フルート、アコースティック・ギター、バスドラム、ハイハット
- マーティン・バー Martin Barre – エレクトリックギター、リコーダー
- ジョン・エヴァン John Evan – オルガン、ピアノ、メロトロン
- ジェフリー・ハモンド Jeffrey Hammond – ベース、アルト・リコーダー、ボーカル
- クライヴ・バンカー Clive Bunker – ドラムス、パーカッション
アディショナル・ミュージシャン
他メディアでの使用例
「アクアラング」「讃美歌43番」「ロコモーティヴ・ブレス」が、以下の映画のサウンドトラックで使用された。
- アクアラング
- 『ムーンライト・マイル』(2002年公開)[15]
- 『華氏911』(2004年公開)[16]
- 『グッバイ・キス-裏切りの銃弾-』(2006年公開)[17]
- 讃美歌43番
- 『ムーンライト・マイル』(2002年公開)[15]
カヴァー
脚注
外部リンク
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