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イクレペルチン
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イクレペルチン(英: Iclepertin)は、ベーリンガーインゲルハイムが開発中の統合失調症の認知機能障害の改善を目指した治験薬のこと。グリシン再取り込み阻害薬の1つ。開発コードBI 425809と呼ばれていたが、2023年1月16日にイクレペルチンという一般名称が厚生労働省により決定された[1]。
概要
イクレペルチンはグリシントランスポーター1阻害薬であり、統合失調症の症状の1つである認知機能障害(CIAS)を改善することを目標として開発が進められている[2]。投与経路は経口剤である。
イクレペルチンは、グリシントランスポーター1を阻害することにより、シナプス間隙のグリシン濃度を増加させる。グリシンは、 NMDA受容体においてグルタミン酸とともに必要なコ・アゴニストとして作用する。先行研究において、NMDA受容体の機能低下は、統合失調症の陰性症状において重要な役割を果たしている可能性が示唆されており、シナプス間隙におけるグリシン濃度の増加を介した、グルタミン酸作動性神経系の調節は、NMDA受容体の機能を強化し、統合失調症の陰性症状(認知機能障害)を改善するのに役立つ可能性が期待されている[3]。
歴史
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臨床試験
第2相臨床試験
1346.9試験として11ヵ国(81施設)で実施された[4][6]。治験参加者は統合失調症の18歳~50歳の外来患者509人[4][6]。イクレペルチン(BI 425809)2~25 mgの用量の12週間投与した際の有効性と安全性の評価された[5]。主要評価項目がMATRICS Consensus Cognitive Battery(MCCB)で評価され、10mg群と25mg群で主要評価項目を達成し、効果量は10mg群「0.34」、25㎎群「0.3」であった[5][6]。
第2相臨床試験 サブグループ解析
PANSS合計スコアと脳波測定によるミスマッチ陰性電位(MMN)発生異常の相関を評価[16]。統計的に有意な結果ではなかったが、両者には正の相関がみられた[16]。
第3相臨床試験
CONNEX試験プログラム(国際共同第3相臨床試験)が行われている。CONNEX試験プログラムは統合失調症患者を対象にグリシントランスポーター1阻害薬であるイクレペルチン(BI 425809)を26週間投与した際の有効性と安全性を評価する3つの第3相臨床試験から構成され、成人の統合失調症患者の認知機能の改善を評価することを主な目的としている[8]。2025年1月16日、ベーリンガーインゲルハイムが主要評価項目、副次評価項目とも未達であったと公表[14]。
脚注
関連項目
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