トップQs
タイムライン
チャット
視点

イットリウム・鉄・ガーネット

ウィキペディアから

イットリウム・鉄・ガーネット
Remove ads

イットリウム・鉄・ガーネット(イットリウム・てつ・ガーネット、Yttrium Iron Garnet)、略称 YIGとは、イットリウムの複合酸化物(Y3Fe2(FeO4)3 または Y3Fe5O12)から成るガーネット構造の結晶である。フェリ磁性化合物であり[1]キュリー温度は560ケルビンである[2] 。YIGは、イットリウムフェライトガーネット、イットリウム鉄酸化物、鉄イットリウム酸化物などとも言い、後2者の呼び方は通常は粉末形態で用いられる[3]

概要 イットリウム鉄ガーネット, 分類 ...

特徴

自然界には存在しない人工物で主に固体レーザの発振用媒質として、結晶製造時に他の元素をドープ(添加)して結晶構造内のイットリウムのうち数%を置き換えたものが用いられる。磁気光学効果を有するフェリ磁性材料で5個の鉄(III)イオンが2個の八面体部位および3個の4面体部位を占め、イットリウム(III)イオンは不規則な立方体中の8個の酸素イオンによって配位されている[4]。2か所の八面体位置の鉄イオンは異なるスピンを持ち、これが磁気特性となって表れる。希土類元素を特定の位置に配置すると、興味深い磁気特性が得られる[5]

YIGは、高いベルデ定数英語版を持ち、このためにファラデー効果が現れ[6]マイクロ波の周波数に対して高いQ値を持ち[7]、1200ナノメートルまでの波長の赤外線の吸収率が低く[8]電子スピン共鳴においてとても小さなスペクトル線広がりを持つ。こうした特徴が、超伝導体における磁気光学イメージングに有用となる[9]

Remove ads

用途

YIGは、マイクロ波工学、音響学光学、磁気光学といった用途がある。マイクロ波YIGフィルター、音響送信機、音響トランスデューサーなどである[10]。600ナノメートル以上の波長の光には透明である。ファラデー回転子における固体レーザー、データストレージ、様々な非線形光学用途にも用いられる[11]

脚注

参考文献

関連項目

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads