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インターフレックス作戦

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インターフレックス作戦
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インターフレックス作戦(インターフレックスさくせん、英語: Operation Interflexウクライナ語:Операція Interflex)は、イギリス主導によるウクライナ軍の訓練支援を目的とした作戦。2015年から実施されていたオービタル作戦英語版が、2022年2月のロシアのウクライナ侵攻により中止されたことに伴い、後継の作戦として7月から開始され、2026年末までの継続が予定されている。作戦はイギリス国内で実施されており、イギリス軍のほか、国際パートナー国の部隊も教官として参加している。

概要 インターフレックス作戦, 作戦種類 ...
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背景

2014年のロシアによるクリミアの併合を受け、イギリスは2015年2月からウクライナ軍の訓練支援のためオービタル作戦を開始し、ウクライナを拠点にイギリス軍教官が医療、後方支援、情報、歩兵戦術等の訓練を指導、ウクライナの領土保全という最終目標に向けて取り組まれ、国際統合多国籍訓練グループ・ウクライナ(JMTG-U)参加国の取り組みと並行して実施された[1]

2022年2月、ロシア連邦軍がウクライナ国境に集結する中、イギリスはオービタル作戦の一環としてウクライナにNLAWなどの対戦車兵器を供与したが[2]、2月17日にイギリス政府はロシアによる「事前予告なしの攻撃」の可能性を懸念し、オービタル作戦の中止を発表[3]、この時点までに訓練を受けたウクライナ軍将兵は累計22,000名にのぼった[4]

ロシアがウクライナに侵攻後の6月17日、ウクライナの首都キーウを訪問中のイギリスのボリス・ジョンソン首相は新たな訓練計画をウクライナ側に提案。この計画では訓練はイギリス国内で実施され、120日間で最大1万名のウクライナ軍将兵に訓練を施す内容となっていた[5]

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沿革

要約
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北東イングランドでのウクライナ軍の訓練を視察中のボリス・ジョンソン英首相(左)
(2022年7月)

2022年

インターフレックス作戦は2022年7月9日から開始され[6]、訓練教官はイギリス陸軍第11治安部隊支援旅団英語版が担当し、イギリス国内複数の訓練施設で実施された[7]。なお、イギリス政府は訓練支援のため、ウクライナ軍が使用するAK系列自動小銃を調達している[8]

インターフレックス作戦において約7,400名のウクライナ軍新兵が訓練を受けたことが11月11日の報道で報告されている[9]

また、イギリス海軍もウクライナ軍の訓練に協力しており、艦艇のダメージコントロール、機雷掃海、武器の操作方法等の訓練を実施している[10]

2023年

イギリス政府は2023年1月15日に新たなウクライナ向け軍事支援パッケージを発表、この支援パッケージにはチャレンジャー2戦車14両の供与が含まれており、2月上旬からウクライナ軍戦車兵への訓練が開始された。また、2月中に海軍歩兵と戦闘機パイロットへの訓練拡大が発表された[11]

7月には、イギリス海軍の潜水および脅威排除グループ(英語: Diving and Threat Exploitation Group、略称:DTXG)がスコットランドロッホユー英語版でウクライナ海軍の水中処分員と水中無人機(英語: Uncrewed Underwater Vehicle、略称:UUV)操作要員に対して、各種機雷への発見、対処技術の指導を実施した[12]

ウクライナ軍将兵の訓練は11月までに30,000名以上が終え[13]、イギリスのグラント・シャップス英語版国防相は訓練拠点のウクライナ国内への移転についての協議が進められていることを明らかにした[14]

2024年

2024年3月、ウクライナ軍パイロット第一陣の初等訓練が終了し、フランスでの上級訓練へ移行することとなった[15]。10月時点で約200名のパイロットが訓練を終了している[16]

2024年11月までに訓練を受けたウクライナ軍将兵が50,000名に達したとシャップス国防相から発表があり[17]、イギリス国防省からは、インターフレックス作戦のためにイギリス国内の四分の一以上の訓練施設が使用されている状況が公表されたが、ウクライナ軍の訓練のためにイギリス陸軍の訓練に制限が発生する事態となっていた[17]

アメリカ合衆国ジョー・バイデン大統領が11月までにウクライナへの対人地雷供与決定したことを受け、ウクライナ軍への訓練でも地雷の探知、識別、除去に関する内容が開始された[18]

2025年

インターフレックス作戦は開始から3年を迎え、56,000名以上のウクライナ軍将兵が訓練を修了した[19]。イギリスは同作戦の2026年までの延長を決定している[20]

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国際パートナー国による支援

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イギリスで訓練を受けるウクライナ軍兵士

カナダユニファイア作戦英語版の一環でプリンセス・パトリシア・カナダ軽歩兵連隊英語版などから約170名が、2022年8月4日にイギリスへ派遣された[21]ニュージーランドからも当初約29名の訓練要員が派遣され、L118 105mm榴弾砲の操作訓練を担当したが[22]、8月15日には120名増員され、歩兵訓練も指導することとなった[23]

イギリスは統合遠征軍英語版参加国へインターフレックス作戦への参加を要請し、2022年8月7日にスウェーデンが120名[24]、8月8日にフィンランドが20名の派遣を表明[25]、8月10日にはデンマークが130名を派遣する意向を示し[26]、8月11日にドイツノルウェーラトビアが参加を表明した[27]。なお、ドイツは2023年10月時点で訓練要員の派遣が実現しておらず、参加国リストから除外されている[28]

また、8月18日にエストニアが参加表明[29]、8月25日にはリトアニアが15名の訓練要員を9月から派遣することで最大150名のウクライナ軍将兵を10月末までに訓練する計画が公表された[30]

オーストラリアは訓練要員70名を2023年1月から派遣することとなり[31]、2023年11月にルーマニアが参加を表明[28]コソボも2024年1月18日に26名の訓練要員派遣を表明した[32]

さらに見る 国名, 派遣人員数 ...

脚注

関連項目

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