ウェスタン村
ウィキペディアから
ウィキペディアから
ウェスタン村(ウェスタンむら)は、かつて栃木県日光市にあった、アメリカの西部開拓時代を主題としたテーマパークである。2006年12月7日に休園した。
ウェスタン村 | |
---|---|
施設情報 | |
前身 | 鬼怒川ファミリー牧場(1973年-1982年) |
テーマ | 西部開拓時代 |
キャッチコピー | 古き良きアメリカと太陽の国メキシコが出会う国(※開園時) |
事業主体 | 大高企業株式会社 |
管理運営 | 大高企業株式会社 |
面積 | 約15,000平方メートル |
開園 | 1973年10月 |
所在地 |
〒321-2421 栃木県日光市(旧:今市市)栗原315-1 |
位置 | 北緯36度46分22.7秒 東経139度42分36.3秒 |
公式サイト | ウェスタン村公式サイト - ウェイバックマシン |
経営母体は大高企業株式会社(代表取締役社長:大南志津子、専務:大南兼一)[注 1]、施設設計は中隣設計事務所、建設は東武建設が担当。周辺のテーマパークとは異なり地元資本で運営されていたパークである。年中無休であった[2]。
プロモーションビデオやテレビコマーシャルの撮影を行う際、西部劇風のロケ地として使われた事もあった。コマーシャルの撮影用に備品を貸し出すこともあった[3]。
1969年末まで地元でホテル・旅館業を営んでいた大高企業株式会社の大南志津子と大南兼一が西部開拓史に興味を抱き、1973年10月に、初代支配人に嶋田伸之を迎え、資本金300万円で大南家の所有地だった創業地に、本施設の前身である観光牧場「鬼怒川ファミリー牧場」を開園した[5][6]。「鬼怒川ファミリー牧場」は、ウェスタン風の施設を次々に開設したり、ウェスタンショーを開催する等、次第に観光牧場からテーマパークに近づいて行った[5][7]。
1982年3月、正式に名称を「ウェスタン村」に変更して営業を開始。当時のキャッチフレーズは「古き良きアメリカと太陽の国メキシコが出会う国」であった[6][7][8]。
鬼怒川・川治観光施設協会のウェブサイトでは「アメリカの顔が鬼怒川の顔になった」というフレーズで紹介されていた[9]。
従前は通年営業であったが、2006年に同年12月7日から2007年3月末まで施設メンテナンスを理由に冬期休業すると公式サイトで発表[7]。さらに、2007年2月末には、4月以降も休園すると発表した[7]。
2007年4月28日の産経新聞栃木県地方版において、従業員を全員解雇したこと、2006年9月に銀行融資を債権譲受したニッシン債権回収が土地建物の差押えを東京地裁に申し立てたことが報じられ、資金難により営業再開ができない状況に陥っていたことが明らかとなっている[7]。
2007年3月には施設内で金属を使用した窓枠が大量盗難に遭う窃盗事件が発生している[10]。
2007年10月11日に日本鉄道保存協会からの退会を同協会の総会で報告した[11]。
2014年に矢板市の木材加工業者トーセンが敷地の半分を買い取り、木質バイオマス発電所の設置を計画[12][13]。しかし、送電線系統接続の問題や、燃焼の排気による反対に遭い建設が中断[8]。
2019年11月時点では、建物や備品の撤去は行われず、経年劣化による傷みなどにより廃墟に近い状態となっている[7]。また、2020年1月時点では、敷地の一部が貯木場として使われている[8]。
西部開拓時代のアメリカ西部を再現し、西部劇のアクションショーが見られる「ウェスタンランド」[17]、「イベントプラザ」[18]、世界初のマウント・ラッシュモアのレプリカ(実在のものの3分の1スケール)[19]がある「アメリカンドリームランド」[20](1995年開設)の3つのエリアからなる。アメリカから輸入した動態保存の蒸気機関車(ワイパウ号、バージニア号)が乗客を乗せて村内を一周する「ウェスタン村鉄道」もあった。ペット同伴の入場も可能であった[2][注 3]。
蒸気機関車「ワイパウ号 4型」は1897年アメリカ製の蒸気機関車で、ハワイのオアフ島製糖工場で使用された後に、真珠湾付近のワイパウ工場に配置となり「ワイパウ」の愛称が付けられた。ワイパウ工場から引退した後はアメリカ・カリフォルニア州の保存鉄道で動態保存をされていたが、1975年(昭和50年)2月からサンフランシスコに近いローリングキャンプ&ビッグツリー狭軌鉄道で使用されていた。ワイパウ号はサドルタンク機で水タンクをボイラー部に背負った愛嬌ある姿から、通称「亀の子」と呼ばれて親しまれていた。軌条間隔は日本国内のJRや東武鉄道の1067ミリよりも狭い914ミリ(※標準軌は1435ミリ)であり、アメリカのナローゲージの鉄道で最も一般的な軌間となっている。1988年(昭和63年)5月1日にウェスタン村がアメリカから車輛を輸入し、園内アトラクションとして有料(大人1200円→後に800円→500円に料金変更)で運行していた。2006年(平成18年)にウェスタン村が休園したことに伴い、個人に払い下げられた後に東武鉄道に移管し、2017年(平成29年)7月から東武ワールドスクウェア園内の『SL広場』に静態保存されている[21]。
蒸気機関車「バージニア号」は1926年に製造された機体で、製造はH.K.ポーター社、製造番号は7036。アメリカのウェストバージニア州の鉱山鉄道で使用され、ミネソタ州の実業家(トム・シュラーテ)に渡りその後は同氏が経営したヒンクレーのテーマパークで蒸気機関車の予備機として保存されていた機体をウェスタン村が交渉し入手して日本に移設導入をした。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.