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ウォルポールの無原罪の御宿り
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『ウォルポールの無原罪の御宿り』(ウォルポールのむげんざいのおんやどり、露: 、英: The Walpole Immaculate Conception)[1][2]、または『聖母被昇天』(せいぼひしょうてん、西: La Asunción de María、英: The Assumption of the Virgin)[3]は、スペインのバロック期の画家バルトロメ・エステバン・ムリーリョが1680年ごろにキャンバス上に油彩で制作した絵画である。18世紀の後半にスペインから流出し[3]、ホートン・ホールのロバート・ウォルポールのコレクションに入った[1][2]。その後、1779年にサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館のために購入され、現在、同美術館に所蔵されている[1][2][3]。
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作品
16世紀以来、「無原罪の御宿り」に対する信仰はスペインで高まっていた。スペインはその信仰の第一の擁護者となり、カトリック教会の公的教義として認められるよう奮闘し、1854年にその目的は達成された。17世紀のセビリアは「無原罪の御宿り」信仰の中心地で[4]、フランシスコ・パチェーコ、フランシスコ・エレーラ (父)、フランシスコ・デ・スルバラン、ディエゴ・ベラスケスなど同地出身の画家たちがこの主題を数多く描いた[4]。

ムリーリョはおよそ20数点ほどの『無原罪の御宿り』を制作した[4]が、これは当時のスペインの画家の中でおそらく最も多い制作数である[5]。ムリーリョはこの主題を描く形式を創造し、ほんどの作品で聖母マリアは白い衣服の上に青い外套を羽織り、両手を胸の上で組みつつ三日月に乗って、目を天に向けている[5]。そして、聖母は光、雲、天使に満ちた天上の空間で明らかに上昇する動きの中に置かれている。ムリーリョは「無原罪の御宿り」と「聖母被昇天」という2つの異なる図像を合一させているのである[5]。
本作の聖母はほかの「無原罪の御宿り」の聖母のように合掌せず、天国へ迎えられる姿をしており、死後に復活する聖母の被昇天図であることが示されている[3]。聖母をあどけなく描いたスルバラン、ベラスケスなどに対し、ムリーリョは華やかで美しいマリアがバロック特有の躍動感で天に昇る様を表現している[4]。なお、マドリードのプラド美術館にある『ベネラブレスの無原罪の御宿り』は本作と類似した図像および同様の上昇の感覚を備えており、両作品は同じころに制作されたのかもしれない[5]。ちなみに、輝かしい黄金色は画家晩年の特徴である。本作は、スペイン国外でムリーリョの名声を高めるのに貢献した[3]。
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ギャラリー
- ムリーリョ『エル・エスコリアルの無原罪の御宿り』1660年-1665年頃 プラド美術館
- ムリーリョ『アランフエスの無原罪の御宿り』1675年頃 プラド美術館
脚注
参考文献
外部リンク
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