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ミズガシ
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ミズガシ(水樫、学名:Quercus nigra、英: Water Oak)は、ブナ科コナラ属に分類される北米原産の落葉高木である。英名の音訳からウォーターオークとも呼ばれる。アメリカ合衆国東部から南部にかけて分布し、湿地林の主要構成種として生態系で重要な役割を担う。
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名称
和名「ミズガシ」は「水辺に生育する樫」を意味し、本種の生態的特性を反映した名称である。この名は水辺(湿地・河岸)に自生する特性に由来する。日本では学術分野でこの呼称が用いられるが、英名に基づく「ウォーターオーク」も併記されることがある。別名としてスポッテッドオーク(spotted oak)、ダックオーク(duck oak)などがある。
分布

アメリカ合衆国の沿岸州全域(ニュージャージー州からテキサス州まで)に分布。内陸部ではオクラホマ州、ケンタッキー州、ミズーリ州南部まで見られる。低地から標高450mまでの湿地帯や河川沿いに群落を形成する。
形態
- 樹高:最大30m、幹径1mに達する。
- 樹皮:若木は滑らかな茶褐色、成熟すると灰黒色で鱗状の隆起が目立つ。
- 葉:長さ3-12cmのスペーテラ(spatula)形が特徴。先端に水滴状の小裂片を持つ。表面は緑青色、裏面は淡青色で葉脈に赤褐色の毛が密生。
- 花:雌雄同株。雄花序は尾状、雌花序は穂状。花期は4-5月。
- 果実:ドングリ(堅果)は単生または対生。径10-14mmの広楕円形で、浅い殻斗に包まれる。成熟には18ヶ月を要し、翌年秋に落下。
生態
人間との関わり
- 利用:
- 材木:17世紀から建材・燃料として利用。辺材は淡褐色、心材は濃褐色で加工性が良い。
- 生態系修復:農地放棄後の湿地林再生に植栽される。
- 園芸:日本では耐湿性を活かした治水緑化に導入例あり。ただし病害虫(特にうどんこ病)に弱く、観賞用としては一般的でない。
- 文化:原産地である米国南部では「水辺の守護者」として民俗伝承に登場する。
保全状況
生息域が広く個体数も安定しているため、IUCNにより軽度懸念(LC)に指定。
ギャラリー
- 湿地帯に群生するミズガシ
- 秋の訪れ。ミズガシの葉が黄色く色づき始めました
脚注
関連項目
外部リンク
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