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エジプト逃避途上の休息 (ブーシェ)
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『エジプト逃避途上の休息』(エジプトとうひとじょうのきゅうそく、露: Отдых на пути в Египет, 英: Rest on the Flight into Egypt)は、18世紀フランス・ロココ期の巨匠フランソワ・ブーシェが1757年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。元来、ヴェルサイユのポンパドゥール夫人の礼拝堂用に描かれた[1]。後にロシア皇帝エカチェリーナ2世のコレクションに入った作品で、1766-1774年にサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館に収蔵されて以来[2]、同美術館に展示されている[1][2]。
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主題
この絵画の主題は、『旧約聖書』中の「マタイによる福音書」(2章13-14) から採られている[3]。誕生したばかりのイエス・キリストの養父聖ヨセフは、天使からお告げを受けた。それは、ヘロデ大王が「ユダヤ人の王」となる新生児の脅威から自身を守るためにすべての初子 (ういご) を殺そうとしているというものであった。ヨセフは、聖母マリア、イエスとともにローマ帝国領となっていたエジプトへ逃げよという天使の指示に従った[3]。
作品
画面右側には聖書を持つ聖母マリアが座り、その左横では幼子イエス・キリストと洗礼者ヨハネが戯れている。画面中央には聖ヨセフの姿が見え、彼の周囲には訪れた天使たちが飛翔している。エキゾチックな植物、遠望される都市などのモティーフも描かれている[1]。しかし、この色彩豊かな画面で、様々なモティーフは相互に関連性を持っていないように見える。登場人物たちの視線も交差していない。彼らは画面に集っているものの、けっして互いにかかわりをもっていないのである。ブーシェは全体の統一性に意を注ぐことなく、それぞれのモティーフの並置によって画面を作り上げている。個々のモティーフの装飾的効果に重点を置いた、このような画面構成はタピストリーの装飾と深い関連を持っていた[1]。多彩な芸術家であったブーシェは、タピストリーの下絵も制作していた[4]。
脚注
参考文献
外部リンク
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