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エドウィン・アボット・アボット

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エドウィン・アボット・アボット
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エドウィン・アボット・アボット(Edwin Abbott Abbott FBA1838年12月20日 - 1926年10月12日[1]は、イギリスの教育者、神学者、英国国教会の司祭である。二次元の平面世界を舞台とした1884年の小説『フラットランド』で知られる。

概要 生誕, 死没 ...
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生涯

要約
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エドウィン・アボット・アボットは、1838年12月20日ロンドンメリルボーンで生まれた。父はメリルボーンにある哲学学校の校長エドウィン・アボット英語版(18081882)、母はそのいとこのジェーン(18061882)で、エドウィンは2人の間の長男だった。

シティ・オブ・ロンドン・スクール英語版ケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジ英語版で教育を受けた[2]。大学では、古典、数学、神学でクラス最高の成績を収め、カレッジのフェローとなった。バーミンガムのキング・エドワード・スクール英語版で校長の資格を取得した後、1865年に26歳の若さでG・F・モーティマー英語版の後を継いでシティ・オブ・ロンドン・スクールの校長に就任した。アボットの校長在任中に、後に首相となるハーバート・ヘンリー・アスキスが同校を卒業している。1876年にケンブリッジ大学のハルセアン・レクチャー英語版を務めた[3]

1889年に校長を退職し、以降は文学と神学の研究に専念した。アボットの神学に対するリベラルな傾向は、彼の教育観や著書の中でも際立っていた。1870年に出版された『シェイクスピア文法』(Shakespearian Grammar)は、英語文献学の分野に多大な貢献をした。1885年には哲学者フランシス・ベーコンの伝記を出版した。

神学関係では、"Filochristus"(「キリストを愛する者」、1878年)、"Onesimus: Memoirs of a Disciple of St. Paul"(「オネシムス: 聖パウロの弟子の回想録」、1882年)、"Silanus the Christian"(「キリスト教徒シラヌス」、1908年)の3冊の宗教小説を匿名で出版している。さらに、匿名の神学論考"The Kernel and the Husk"(「核と殻」、1886年)、"Philomythus"(「神話愛好者」、1891年)、"The Anglican Career of Cardinal Newman"(「ニューマン枢機卿の聖公会のキャリア」、1892年)、および『ブリタニカ百科事典』第9版に掲載された福音書の解説文(The Gospels)は、アボットの批判的な見解を体現し、イギリスの神学界に大きな波紋を投げかけた。他に、"St Thomas of Canterbury, his Death and Miracles"(「カンタベリーの聖トマス: その死と奇跡」、1898年)、"Johannine Vocabulary"(「ヨハネ文書の語彙」、1905年)、"Johannine Grammar"(「ヨハネ文書の文法」、1906年)などの著書がある[3]

1880年に出版されたラテン語の教科書"Via Latina: A First Latin Book"は、世界中の教育現場に配布されたという。

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『フラットランド』

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『フラットランド』の表紙(1884年)

アボットの代表作は、1884年に発表された小説"Flatland: A Romance of Many Dimensions"(『フラットランド』)である。この小説は、二次元の平面世界を舞台とし、次元の本質を追求した作品である。この小説はサイエンス・フィクション(科学的フィクション)に分類されることが多いが、より正確には「数学的フィクション英語版」と呼ぶべきものである。

1950年代から現代に至るまでの現代SFの登場により、特にSFやサイバーパンクのファンの間で[4]この小説の人気が復活している[5]。この小説の続編や短編映画など、この小説にインスパイアされた作品が数多くある[4]

著書

要約
視点

原題の後の括弧内の日本語は、原題の参考訳である。

  • Via Latina: A First Latin Book, Including Accidence, Rules of Syntax, Exercises, Vocabularies and Rules for Construing (ヴィア・ラティーナ:アクセント、構文のルール、練習問題、語彙、変化のルールを含むラテン語の入門書)(Seeley, Jackson, and Halliday, revised edition: 1882)
  • Shakespearian Grammar: An Attempt to Illustrate Some of the Differences Between Elizabethan and Modern English, for the Use of Schools(シェイクスピアの文法: 学校向けにエリザベス朝の英語と現代英語の違いを図解する試み) (Macmillan, 1870)
  • Flatland: A Romance of Many Dimensions(フラットランド: 多くの次元のロマンス) (Seeley & Co., 1884)
  • Francis Bacon: An Account of His Life and Worksフランシス・ベーコン: 彼の人生と作品について) (Macmillan, 1885)
  • Philochristus: Memoirs of a Disciple of the Lord(キリストを愛する者: 主のとある弟子の回想録) (Macmillan, 1878)
  • Onesimus: Memoirs of a Disciple of St. Paulオネシモ: 聖パウロのとある弟子の回顧録) (Macmillan, 1882)
  • The Kernel and the Husk(核と殻) (Macmillan, 1886)
  • Philomythus: An Antidote Against Credulity(神話愛好者: 軽信への解毒剤) (Macmillan, 1891)
  • The Anglican Career of Cardinal Newmanニューマン枢機卿の英国国教会での経歴) (Macmillan, 1892)
  • St Thomas of Canterbury: His Death and Miracles(カンタベリーの聖トマス: 彼の死と奇蹟) ( Adam and Charles Black1898)
  • Johannine Vocabulary: A Comparison of the Words of the Fourth Gospel with Those of the Three(ヨハネの語彙: 第四福音書と三福音書の単語の比較) (Adam and Charles Black, 1905)
  • Johannine Grammar(ヨハネの文法) (Adam and Charles Black, 1906)
  • Silanus the Christian(キリスト教徒シラヌス) (Adam and Charles Black, 1906)

脚注

参考文献

外部リンク

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