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エバーグレーズの外来種の一覧
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エバーグレーズの外来種の一覧(エバーグレーズのがいらいしゅのいちらん、英: List of invasive species in the Everglades)は、アメリカ合衆国フロリダ半島南部にあるエバーグレーズに持ち込まれ、エバーグレーズの保全地域において侵略的に適応した植物や動物の一覧である。エバーグレーズはフロリダ州南部にある広大な流域であり、キシミー川からの水を受けた広く浅いオキーチョビー湖から溢れた水が流れ込んでいる。この溢流水はフロリダ湾まで長さ約160 km (100マイル)、幅約97 km (60マイル) の大変浅い川を形成する。その流速は1日に800 m (半マイル) ほどである。エバーグレーズの生態系は、東を南フロリダ都市圏の都会地域、西をネイプルズやフォートマイヤーズの各市、南はフロリダ湾に囲まれており、フロリダ湾はエバーグレーズからの淡水が流入されることでその海洋環境を維持する。三方を近接した物流の中心地に囲まれているので、特に外来種が侵攻しやすい環境にある。
この項目「エバーグレーズの外来種の一覧」は翻訳されたばかりのものです。不自然あるいは曖昧な表現などが含まれる可能性があり、このままでは読みづらいかもしれません。(原文:en:List of invasive species in the Everglades of 29 March 2016, at 10:31) 修正、加筆に協力し、現在の表現をより自然な表現にして下さる方を求めています。ノートページや履歴も参照してください。(2016年6月) |
エバーグレーズの樹木の島。イリオモテシャミセンヅルに覆われている
エバーグレーズ国立公園の職員が撮影した写真。ビルマニシキヘビがアリゲーターを締め付けている
20世紀、フロリダはアメリカ合衆国国内でも他にないような人口の急増を経験し,それに関わって急激な都市拡大が起きたが、これらはエバーグレーズの排水された土地によって可能になったものである。洪水防止が優先事項となり、1947年から1971年まで中央・南フロリダ洪水防止計画 (Central & South Florida Flood Control Project) によって、南フロリダにおける全長2,300 km (1,400マイル) におよぶ運河とダムの建設が行われた。広い範囲の建設工事は居住区を拡大し、従来の動植物が持っていた生態系を変化させた。フロリダの新しい住民や観光客のせいで、偶然に、あるいは景観を改善することを意図して、地域に新しい植物種が導入された。同様に多くの動物種も、逃げ出すか、あるいは捨てられ、それが個体数を増やすことで導入されてきた。これらの種を表すために幾つかの言葉が使われている。たとえば、exotic(外来の)、invader(侵入者)、 immigrant(外来種)、colonist(外来種)、introduced(導入された)、nonindigenous(非原産の)、naturalized(帰化した)という言葉が使われている。「naturalized(帰化)」とは長い期間にわたって地域に適応した種を表すのが通常であり[1]、"invasive"「侵略種」とは特に他の種に影響し攻撃的な種を言うことが多い[2]。
南フロリダの魚類、爬虫類、鳥類、哺乳類の約26%が外来種であり、これはアメリカ合衆国の他のどこよりも多く、またこの地域は世界でも最多クラスの外来植物種に寄生されている[3][4]。気候、疫病、消費者など、本来の生息環境で植物を抑制していた生物学的環境要因の多くがエバーグレーズには存在しないので、たいていの外来種が原産国の平均値よりはるかに大きく成長し、原産国の平均値をはるかに超える数が繁殖している。同様に動物にとっても、元々の生息地に比べエバーグレーズでは捕食者や自然の障害の無いことが多く、そのため繁殖が急速かつ効率的になることが多い。エバーグレーズの水質に関する関心が20世紀の初めに高まり、2000年までに連邦政府の資金を使ってエバーグレーズの復元を行う法が成立した。これは有史のなかでも最大の計画的環境再生への取り組みとなっている。外来種の制御はアメリカ合衆国魚類野生生物局の役割となり、1994年から外来種についての情報を蓄え、広報を行っている。外来種の管理は年間5億ドルを要するが、南フロリダの6,900 km2 (170万エーカー) の土地はまだ外来種に対する対応が採られないままとなっている[5]。
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植物種
要約
視点
生態学と環境研究の分野が発展するにつれて外来種が以前よりも注目を浴びるようになり、その影響が明らかになってきた。20世紀半ば、当時の外来種に関する知識が、環境はほとんど影響を受けないと仮定していたので、外来種に関する生物学の教科書は、警告よりも満足感の方を多く反映していた[6]。1960年代、トマス・ロッジは、原生種ではない植物や動物が南フロリダで生きているという証拠があるが、特に注目するほどではないと記している。しかし、過去数十年間で外来種の数とその広がりが劇的に増えた[2]。
もともとエバーグレーズは在来の植物相として1,301種を抱えていた。それらは熱帯性から亜熱帯性のものであり、約5,000年前にフロリダ半島に到達した。風、水、鳥が熱帯性植物の大半を運んできた。亜熱帯種はより北の方から広がった[7]。2010年の時点で、それらに追加して南フロリダより外来植物が1,392種が同定され,それらはこの地に定着している[8]。意図的にしろ偶然にしろそれらの種が人為的に持ち込まれたのであり、それには様々な経路があった。すなわち農業の実験、輸送用のコンテナ、あるいは自動車への付着などである。南フロリダは、アメリカ合衆国とカリブ海および中南米との輸送や交通の中心である。1990年の1年間で、3億3,300万の植物がマイアミ国際空港に入って来ている[9]。アメリカ合衆国農務省とフロリダ食糧・農業科学大学の双方がフロリダ州全体にある研究所で植物の実験を行っている。
地方、州、連邦政府の機関が多額の金を遣って南フロリダから外来種を取り去ろうとしており、またこれ以上地域に入って来るのを防止しようとしている。フロリダに入って来た植物は「制限付き」か「禁止」かに区分されるが、新しい区分が考案されており、新区分である「植物危険性分析未承認 (Not Authorized Pending Pest Risk Analysis (NAPPRA))」では、科学者がその外来種が南フロリダの環境に与えるかもしれない害を評価することを認めている[10]。フロリダ外来有害植物委員会と呼ばれる非営利団体が外来種をカテゴリーに分けた表を作成している。カテゴリーIは、「原生種に置き換わることで原生種の生態系を改変し、生態系の構造あるいは生態機能を変化させ、あるいは原生種と雑種を生じるもの」であり、カテゴリーIIは、「量的にも分布的にも増殖するが、カテゴリーIに見られるほどフロリダの植物生態系を変えないもの」となっている[11]。100種以上の植物種がカテゴリIに登録されてきたが、その中でも数種の植物は、繁殖の速さによって潜在的な生態系に対する破壊力が最大であること、群生や日陰の形成などによって原生植物に取って代わってしまうこと、エバーグレーズの環境に対する高い適応能力、エバーグレーズ外遠く離れた地域まで生息地を広げてしまう可能性(もしくは既に広げた証拠)といった点で抜きん出ている[12]。
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動物種
要約
視点
外来動物はたいてい帰化植物ほど深い影響を及ぼしているとはいえないが、多くの例でより強く注目を惹き、この地域内には多くの外来種が存在するのだと言うことを絶えず思い起こさせるものとなっている。ホームステッド空軍基地近くで、野生生物学の学者や建設作業員らは、こともあろうに、運河で日光浴しているイグアナがメガネカイマンに襲われる現場を目撃した[43]。
フロリダ在来の昆虫は約12,500種おり、その大半はカリブ地方やアメリカ合衆国南東部からこの地域に自然に飛んできたものだった。これに加えて約1,000種が外来種として識別されている[44]。昆虫は毎年約10億ドルの損失をフロリダの構造物や農業に与えている。南フロリダに入って来る商品の物量が多いので、それと共に入って来る昆虫を制御することは不可能に近い。輸入される柑橘類が害虫の主要な通り道になっている。生物学的作用素として21種の昆虫が輸入され放出された。これは外来種植物の増加を防止し、他の昆虫の影響を抑えるためである。マダガスカルゴキブリ(Gromphadorhina portentosa)やヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus)のような種はペットとして、あるいは魚の餌として販売され、その後裏庭に放された[45]。同様に、イガイ類、二枚貝、巻き貝など水生の無脊椎動物は、船底や船腹に固着して入り、土地の水域に移ってきている。アクアリウムの売買で愛好家に供給された外来種もまた、水路に投棄されたり、逃げられたりしている[46]。
昆虫やその他節足動物を除外して、2009年時点では192種の外来動物種がフロリダで生息している[47]。魚類は50種以上が導入された。早くに記録されている種としては、ベロネソックス・ベリザヌス(Belonesox belizanus)やアストロノータス(Astronotus ocellatus)がある。エバーグレーズの多くの地域が毎年乾燥し、長い旱魃期間があることもあるのだが、南フロリダ中にある運河の広大なネットワークにより、多くの種が自然状態よりも容易に拡散することができる。原生種数や生息域に対する外来種の全体的な影響はほとんど分かっていない[48]。
フロリダ州魚類野生生物保存委員会が、最も侵略的である動物を特定することに集中するタスクフォースを立ち上げた。この機関は、ビルマニシキヘビ、アフリカニシキヘビ(Python sebae)、アメジストニシキヘビ(Morelia amethystinus)、アミメニシキヘビ(Python reticulatus)、オオアナコンダ(Eunectes murinus)、ナイルオオトカゲ(Varanus niloticus)について「危惧される爬虫類」のリストを作成した。フロリダ州は動物の所有者に年間100ドルの許可料支払いを求め、またマイクロチップの埋め込みも求めている。これら捕食動物は、その恐ろしい大きさと攻撃的な性格故にリストに含められている。しかしこのリストが作られる前にエバーグレーズにいた動物は、野生のままに生息している[49]。2012年、アメリカ合衆国、特に南フロリダの多くの外来蛇類と戦うために、アメリカ合衆国内務省はレイシー法の枠に、ビルマニシキヘビ、アフリカニシキヘビの2種(北と南)、キイロアナコンダ(Eunectes notaeus)の4種を加え、アメリカ合衆国内への輸入を違法とした[50]。外来の鳥類はそれほど注目されていない。それらもペットの取引や脱出によってフロリダにもたらされた。取り扱い業者が検疫制限を避けるために放鳥したか、熱帯低気圧が襲ってきたときに損傷を受けた籠や人工的な生息域から逃げ出したかである[51]。しかし、通常は固有種でない鳥類の多くが個体数の多い地域に近く住むものであり、個体数を増やした鳥類もあれば、不明な理由で減らした鳥類もある[52]。
哺乳類では南フロリダの外来種として50種以上が記録されており、その内少なくとも19種は自活している[53]。野生化哺乳類でエバーグレーズとその周辺を生息域とするものとして、犬、豚、猫がある。アメリカ合衆国の他の地域に在来の野生動物でも、ココノオビアルマジロ(Dasypus novemcinctus Linnaeus)、コヨーテ(Canis latrans)、ジャガランディ(Herpailurus yaguarondi)といったものが定着してきた[54]。
フロリダ州は外来動物を野生に放つことを禁じる法を制定してきた。人々が動物を捨てないようにさせるために、地方政府は幾つかの場所で「外来種アムネスティ・デイ」を開催し始めた。これは、蛇、トカゲ、両生類、鳥類、哺乳類(犬、猫、フェレットを除く)のような伝統的ではないようなペットを飼いたくないあるいは世話できないという所有者が、外来種の違法投棄の罪で告発されることなく、動物を捨てることができるようにしたものである[55]。フロリダ州魚類野生生物保存委員会は、野生生物管理地域内で特定の狩猟シーズンに狩猟者が「危惧される爬虫類」を捕獲することを認めている[56]。また即座に去勢したり、肉や革を売ることも認めている[57]。
無脊椎動物
魚類
爬虫類
鳥類
哺乳類
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脚注
参考文献
外部リンク
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