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オメラスから歩み去る人々

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オメラスから歩み去る人々』(英語: The Ones Who Walk Away from Omelas)は、アーシュラ・K・ル=グウィン短編小説。1973年発表[1]。1974年ヒューゴー賞短編小説部門受賞[2]。架空の都市オメラスを題材にした思考実験的小説[3]

あらすじ

語り手が読者にオメラスの情景を語る[3]

オメラスは幸福に満ちた田園都市である。そんなオメラスの地下に、一人の子供が監禁されている。もしその子供を解放すればオメラスの幸福は失われる。

オメラスの住人は8歳から12歳ごろ、その子供の存在を知らされる。最初はみな衝撃を受けるが、次第に受け入れるようになる。しかし、中には受け入れられず、オメラスから歩み去る人々もいる。

オメラスを去る人々は、自分がどこへ行くのかを知っているようだ。

背景

「オメラス」(Omelas)という都市名は、ル=グウィンが車を運転中、バックミラーに映った「オレゴン州セーレム」(Salem, Oregon)という道路標識に由来する[1]

本作の副題が『ウィリアム・ジェームズの主題による変奏曲』であるように、本作は哲学者ジェームズの著作に着想を得ている[1]。ジェームズは論文「道徳哲学者と道徳生活英語版[4]」(1891年)で「数百万人の幸福が、一人の不幸を条件に成立しているとしたら、その幸福はおぞましいものではないか」という問いを提示している[1]

本作は思考実験的な作品であり[3]功利主義[5][6][7]反出生主義[8]の議論でもしばしば取り上げられる。

ル=グウィン『所有せざる人々』(1974年)は本作の後継的作品にあたる[9][3]。ル=グウィンは本作と同様の作品を「サイコミス」(psychomyth、心理神話、精神神話)と自称している[2]

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日本語訳

脚注

関連項目

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