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カルデア神託
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『カルデア神託』(カルデアしんたく、英: Chaldean Oracles、古希: λόγια Χαλδαικά[1])または『カルデア人の神託』は、ローマ帝国期の2世紀に古代ギリシア語で書かれた書物。カルデア人(バビロニア人)が授かった神秘主義的・秘教的な神託を記した書物。テウルギア(神働術)の初出[2]。新プラトン主義哲学者のイアンブリコスらに重視された[1]。
成立
マルクス・アウレリウス・アントニヌス帝の治下、カルデア人ユリアノス(英: Julian the Chaldean)と、その息子の神働術者ユリアノス(英: Julian the Theurgist)、あるいは後者一人が、トランス状態(変性意識状態)のときに授かった神託の記録とされる[1]。「カルデア人」は東方的な魔術の達人の代名詞だった[3]。
内容
ヘクサメトロンの韻文集であり、複数の断片のみが現存する[1][3]。相矛盾する箇所もあり[1]、一貫した教説は読み取りづらい[3]。
父なる神[3][4]、天使[3]、知性(ヌース)[4]、世界霊魂[4]、ヘカテー[3][4]、レアー[4]、イウンクス[4]などが登場する。同時代のグノーシス主義や中期プラトン主義との関連性も窺える[5]。「テウルギア」(神働術)は本書の造語である[2]。
→「テウルギア」および「ヘカテー § 神働術」も参照
受容
古代末期、イアンブリコス派の後期新プラトン主義において重視された。イアンブリコスのほか[1]、プロクロス[6]、ダマスキオス[7]が註解を書いたが、いずれも現存しない。
ビザンツ期には、ミカエル・プセロスが本書をヘルメス文書とともに重視した[8]。ルネサンス期にはフィチーノ、ピコ、パトリツィらが受容した[8]。近代にはアニー・ベサントら神智学者が重視した[8]。
関連項目
脚注
参考文献
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