トップQs
タイムライン
チャット
視点

カルデア神託

ウィキペディアから

Remove ads

カルデア神託』(カルデアしんたく、: Chaldean Oracles古希: λόγια Χαλδαικά[1])または『カルデア人の神託』は、ローマ帝国期の2世紀古代ギリシア語で書かれた書物。カルデア人(バビロニア人)が授かった神秘主義的・秘教的な神託を記した書物。テウルギア(神働術)の初出[2]新プラトン主義哲学者イアンブリコスらに重視された[1]

成立

マルクス・アウレリウス・アントニヌス帝の治下、カルデア人ユリアノス(: Julian the Chaldean)と、その息子の神働術者ユリアノス(: Julian the Theurgist)、あるいは後者一人が、トランス状態変性意識状態)のときに授かった神託の記録とされる[1]。「カルデア人」は東方的な魔術の達人の代名詞だった[3]

内容

ヘクサメトロン韻文集であり、複数の断片のみが現存する[1][3]。相矛盾する箇所もあり[1]、一貫した教説は読み取りづらい[3]

父なる神[3][4]天使[3]知性ヌース[4]世界霊魂[4]ヘカテー[3][4]レアー[4]イウンクス[4]などが登場する。同時代のグノーシス主義中期プラトン主義との関連性も窺える[5]。「テウルギア」(神働術)は本書の造語である[2]

受容

古代末期イアンブリコス派の後期新プラトン主義において重視された。イアンブリコスのほか[1]プロクロス[6]ダマスキオス[7]註解を書いたが、いずれも現存しない。

ビザンツ期には、ミカエル・プセロスが本書をヘルメス文書とともに重視した[8]ルネサンス期にはフィチーノピコパトリツィ英語版らが受容した[8]。近代にはアニー・ベサント神智学者が重視した[8]

関連項目

脚注

参考文献

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads