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クラウジウス・モソッティの関係式
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クラウジウス・モソッティの関係式(クラウジウス・モソッティのかんけいしき、英: Clausius–Mossotti relation)とは、微視的(分子)スケールの物理量である分極率αと、巨視的スケールの物理量である誘電率εrとの間に成り立つ関係式である。ルドルフ・クラウジウスおよびオッタヴィアーノ=ファブリツィオ・モソッティにちなむ。クラウジウス・モソッティの関係式は、以下のように書き下される[1][2]。
![]() | この項目「クラウジウス・モソッティの関係式」は翻訳されたばかりのものです。不自然あるいは曖昧な表現などが含まれる可能性があり、このままでは読みづらいかもしれません。(原文:de: Clausius-Mossotti-Gleichung) 修正、加筆に協力し、現在の表現をより自然な表現にして下さる方を求めています。ノートページや履歴も参照してください。(2022年3月) |
- Pmはモル誘電分極モーメント(単位はモル体積m3/mol)
- Mmはモル質量(kg / mol)
- ρは密度(kg / m 3)
- NAはアボガドロ定数
- ε0=8.8541878128(13)×10−12 F/mは真空の誘電率
この関係式は、永久双極子モーメントをもたず、双極子モーメントが誘電分極モーメントのみで構成される非極性物質について成り立つ。永久双極子を持つ材料の場合、デバイの式が用いられる。
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導出
要約
視点
巨視的な誘電分極モーメントP→は、すべての誘起双極子モーメントの和を体積で割った値(すなわち双極子密度)である。
ここでNは粒子の数密度、αは分極率、E→locは粒子の位置における局所電場強度である。
巨視的な物理量である電気感受率および誘電率と誘電分極モーメントとの間には以下のような関係式が成り立つ。
これらの式をつなげて、次の式が得られる。
ここからさらに記述を進めるためには、局所電場強度を記述する必要がある。
希薄気体においては、誘導双極子モーメントは互いに影響を与えず、局所電場強度は印加された外場と等しくなる E→loc = E→ 。したがって次の式が得られる。
密度の高い誘電体においては、近傍の誘導双極子モーメントの作る電界の影響も受けるため、局所電場強度は印加された外場と等しくなくなる。
- :外部から印加される電界+誘電体表面に発生する分極電界(脱電電界)、
- :念頭にある分子周りの架空球面上の分極電荷が作る電場(ローレンツの局所電場)
したがって、局所電場密度は以下の式にしたがう。
これを前述の式に代入して、以下を得る。
移項して整理すると、下式を得る。
εrについて解けば以下の式を得る。
ここで、数密度Nを巨視的な物理量、密度ρ、モル質量、アボガドロ定数で表わすと以下のように書ける。
これを上式に代入すると、クラウジウス・モソッティの関係式が得られる。
εrについて解けば以下の式を得る。
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ローレンツ・ローレンツ方程式
要約
視点
→詳細は「ローレンツ・ローレンツの式」を参照
ローレンツ・ローレンツの式とは、クラウジウス・モソッティの関係式にεr = n2を代入し、誘電率の代わりに屈折率と分極率との関係を表わした下式をいう。
クラウジウス・モソッティの方程式と同様、この方程式は均一な固体および液体に対して成り立つ。
大抵の気体についてはがなりたつことから、以下がいえる。
また、を用いれば次式を得る。
この式は、常圧下の気体について適用できる。また、モル屈折率Aを用いれば気体の屈折率nは以下のように書ける。
ここで、p は気体の圧力、Rは気体定数、T絶対温度であり、気体の状態方程式からN⋅NA = p/RTを用いた。また、cをモル濃度とすると、N = c⋅NAが成り立つことも用いている。消衰係数kを取り入れた複素屈折率m = n + ikについては以下の式が成り立つ。
したがって、虚数部、すなわち消衰係数は、モル濃度および吸光度に比例する。
したがって、ランベルト・ベールの法則をローレンツ・ローレンツの式から導出することができる[3]。同様に、希薄溶液の屈折率の変化も、モル濃度におおよそ比例する[4]。
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参考文献
- Richard P. Feynman, Robert B. Leighton, Matthew Sands (2005). Lectures on Physics, Volume II (Definitive Edition ed.). Addison-Wesley. ISBN 0-8053-9047-2
出典
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