グレゴリー・ワニエ

グレゴリー・ヒュー・ワニエ（Gregory Hugh Wannier, 1911年12月30日 - 1983年10月21日） はスイス出身の物理学者^[1]。ワニエ関数と呼ばれる直交関数の完全系を考案したことで知られる^[2][3] 。ワニエ関数は固体物理学の研究者にとって、不可欠な手法となっている。また、イジング模型の研究を通じて、強磁性体の理論に貢献した。正方格子上のイジング模型におけるクラマース–ワニエ双対性は、相転移が起きる転移温度を厳密に与える^[4]。

Gregory Wannier グレゴリー・ワニエ
生誕	グレゴリー・ヒュー・ワニエ(Gregory Hugh Wannier) (1911-12-30) 1911年12月30日 バーゼル, スイス
死没	1983年10月21日(1983-10-21)（71歳没） オレゴン, アメリカ合衆国
研究分野	固体物理学 統計力学
研究機関	ベル研究所 ソコニー・ヴァキューム石油会社 オレゴン大学
出身校	バーゼル大学
博士課程 指導教員	エルンスト・シュテュッケルベルク ユージン・ウィグナー
主な業績	ワニエ方程式 ワニエ関数 ワニエ励起子 クラマース–ワニエ双対性 フラストレーション (磁性体) 転送行列
プロジェクト:人物伝

経歴

バーゼル大学でエルンスト・シュテュッケルベルクの指導の下、ワニエは1935年に博士号を授与された。彼は1936/1937年の学年度にプリンストン大学でポスドクの交換学生として、教授であったユージン・ウィグナーと研究した。その後、産業界に移るまではアメリカのいくつかの大学で教鞭をとり、1946年から1960年の期間は産業界で研究を行った。ソコニー・ヴァキューム研究所に勤務した後、ワニエは1949年からベル研究所に所属した。ベル研究所では物理エレクトロニクスの研究グループに属し、ウィリアム・ショックレー、コンヤーズ・ヘリング、ジョン・バーディーン、チャールズ・キッテル、フィリップ・アンダーソンが同僚であった^[5]。1961年にはオレゴン大学に移り、産業界からアカデミアに戻った。1977年に名誉教授として、オレゴン大学を退任した。

ワニエは大学院生や客員教授とともに、結晶 の特性に関する一連の重要な論文を報告した。さらに、固体物理学と統計力学に関する広く読まれている教科書を出版した。1983年10月21日に亡くなるまで、彼は多くの人たちから分野内における最も著名なメンバーとされていた。彼はアメリカ物理学会 の会員であった。

著作

• Elements of solid state theory, Cambridge University Press 1959. Elements of solid state chemistry (Wannier, Gregory H.)^[6]
• Statistical Physics, Wiley 1966;^[7] reprint Dover 1987, 2010