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ゲオデルマトフィラス科
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ゲオデルマトフィラス科(Geodermatophilaceae)は真正細菌の放線菌門放線菌綱ゲオデルマトフィラス目の科の一つである。
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概要
グラム陽性且つ好気性である[12]。桿状又は未発達の菌糸を形成し、運動性の胞子を形成する[1]。未発達菌糸の直径は0.5~2.0μmである。気菌糸は存在しない。葉状体は、複数の平面を持つ、立方体と楕円形の中間の不規則な形状の多数の細胞で構成される。これらの細胞は、栄養繁殖体として機能し、運動性又は非運動性のどちらにもある可能性があり、発芽して繊維又は芽胞を形成して運動性細胞に分化することがある[12]。
コロニーは赤または黒色を呈する。GC含量は70~75mol%である[1]。
アミノ酸やアンモニアなどの窒素源を利用し、窒素固定は行われない。炭素源としては炭水化物、有機酸、及び脂肪酸を利用する[12]。乾燥土壌や岩石表面、海水などその生息地は多種多様である[1]。細胞壁はIII型である。全細胞糖パターンはパターンC(特徴的な糖は無し)である。リン脂質はパターンPIIである。主要なメナキノンはMK-9(H4)である。脂肪酸はパターン2bであり、ペプチドグリカンはタイプAlγである[12]。16S rRNA遺伝子のシグネチャーパターンは139-224 (C-G)、157-164 (A-U)、158-163 (A-U)、186-191 (C-G)、263 (G)、293-304 (G-U)、986-1219 (U-A)、987-1218 (A-U)、1059-1198 (U-A)、及び1308-1329 (U-A)であり[13]、139–165のCaGCTCTGGGATAACTCCAAGAAATTモチーフを伴う[1]。
自然界での岩石の生分解に関わることが知られ、大理石や石灰岩、石灰砂岩などの石灰質及び炭酸質の岩石でよく見出される。この環境に適応するため、乾燥や太陽光線、塩分などに耐性を持つ[14]。
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歴史
- 1996年に、科名"Geodermatophilaceae"はNormandらによって最初に公開された[12]。彼らはゲオデルマトフィラス属(Geodermatophilus)とブラストコッカス属(Blastococcus)を含む放線菌門放線菌綱の分類項目としたが、一方で正式な説明とタイプ属の指定は行わなかったため、この科名は正式に承認されなかった。この2つの属は当時、フランキア科(Frankia)に分類されていた[15]。
- 1997年に、Stackebrandtらはゲオデルマトフィラス属をタイプ属に指定し科の説明を修正して発表した[13]が、本来の説明が無効とされていたため、この説明も有効とされなかった。
- 2000年に、Mevsらはモデストバクター・マルチセプタタス(Modestobacter multiseptatus)の発見とモデストバクター属(Modestobacter)の新属としての提案を発表し、その細菌をゲオデルマトフィラス科に分類した[9]。
- 2006年に、Normandはゲオデルマトフィラス科を正式に認可させるために、ゲオデルマトフィラス科の正式な説明を発表した[1]。
- 2007年にInternational Journal of Systematic and Evolutionary Microbiologyに正式に承認された[2]。
- 2016年に、当時未承認だったフランキア目(Frankiales)の16S rRNA遺伝子配列解析による分類体系の調査結果が公表され、フランキア目の確立とともに、それ以前にフランキア目に非正規で分類されていた属の一部が、新たに提案された別の目に移動させるよう提案された。このとき、ゲオデルマトフィラス目も新たに提案され、ゲオデルマトフィラス科はそこに分類された[16]。
- 2017年に、Montero-Calasanzらはゲオデルマトフィラス科細菌のゲノムシーケンシングを行った結果、ゲオデルマトフィラス属の一部(G. brasiliensis、G. soli、G. taihuensis、及びG. terrae)は別の属として扱うことが適当であると結論付け、新属Klenkiaを提案した[7]。
- 2022年に、ゲオデルマトフィラス科内の系統分類学的調査に基づき、科内の一部の種の再分類並びに新属Trujillonella、Pleomorpha、及びGoekeraの提案が実施された。具体的には、Blastococcus endophyticusはTrujillonella endophyticaに、Geodermatophilus daqingensisはPleomorpha daqingensisに、Modestobacter desertiはGoekera desertiに変更された[11]。
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系統樹
下記の系統樹は、The All-Species Living Tree Projectによる、16S rRNA遺伝子配列解析を用いたLTP release 123に基づく。
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脚注
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