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ゴクスタ墳丘

ノルウェーの墳丘墓 ウィキペディアから

ゴクスタ墳丘
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ゴクスタ墳丘(ゴクスタふんきゅう、ノルウェー語: Gokstadhaugen)は、ノルウェーヴェストフォル県サンデフィヨルドのゴクスタ農場に所在する、大きな墳丘墓である。王の墳丘Kongshaugen)とも呼ばれ、9世紀のゴクスタ船が発見された場所である[1][2][3]

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ゴクスタ墳丘(2008年)

歴史

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1929年の落成式典で設置された石碑
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ゴクスタで発見されたスカンディナヴィアの船(『Popular Science Monthly』19巻、82頁、1881年)
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『王の墳丘』(スミソニアン協会理事会の年次報告書、1891年)

この墳丘は、1880年にニコライ・ニコライセン英語版によって発掘された。ゴクスタ船は890年頃に建造され、10年ほど後に墳丘に埋められたとみられる。主にオーク材が使われ、全長23.8メートル(78フィート)、幅は5.2メートル(17フィート)。16組のがあり、最高速度は12ノットと推定される[4]。現在、この船はオスロのヴァイキング船博物館に所蔵されている[5]

船とともに葬られていたのは、黒髪のハーフダン英語版の異母兄弟・ゲイルスタッド・エルフのオラフ王英語版(小王)であると長く信じられてきた[6][7]。しかし近年の発見により、従来の説の信憑性に疑問が生じ、埋葬されていた有力者が誰であるのかははっきりしない[8][9]

2年間の修復作業の後、1929年7月に墳丘は献納された。墳丘の周囲には小さな石塀が築かれ、塀に沿って樺の木が植えられた。7月20日に落成式典が行われ、2,000-3,000人の観客が集まった。ホーコン7世の他、教会担当大臣、ノルウェー文化遺産局英語版ヴェストフォル県の首長なども出席した[10][11]。7月28日に催された公式な落成式典でも、ホーコン7世はスピーチを行った[12]

ゴクスタ墳丘は、ノルウェーで最も素晴らしい考古学的発見のひとつであると評されている[9]。2014年1月、ノルウェー政府は世界遺産への登録をユネスコに申請した[13][14]

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発掘

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1880年の発掘調査の様子
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案内板の長さはゴクスタ船を象徴する23.5メートル[7]

1880年の調査では、墳丘は直径50メートル(164フィート)、高さ5メートル(16.4フィート)と測定された[15]ヴァイキング時代の水位はかなり高く、海面は現在より4メートル近く高い位置であった。そのため、海の近くに埋められたと推定される。墓からはゲーム盤、釣り針、馬具(鉛、鉄、金メッキされた青銅のもの)、64個の盾、調理用具、6台のベッド、そりなど、そしてもちろん小さな船も3隻発見された。またクジャク2羽、オオタカ2羽、イヌ8匹、ウマ12頭も発見されている[5][16]

墓室は何層もの樺の皮で覆われており、屋根の丸太の間からは、金糸を織り込んだ絹の遺物が考古学者によって発見された。これらは、内壁を装飾する豪華なタペストリーだったのかもしれない[16]

年輪年代学により、船は西暦885年から892年の間に建造されことが証明されている。墓室は西暦895年から903年に作られたものとされる[17]

埋葬されていた指導者は身長181-183cmで、40歳前後で戦死したとみられている[18]

ゴクスタ船は1879年に発見され、1880年4月から6月にかけてニコライ・ニコライセンによって発掘された[19]。1928年6月16日、墳丘の発掘調査は終了し、指導者の指関節は墓室のサルコファガスに戻された。2007年、サルコファガスは考古学者によって運び出され、現在はオスロ大学で保管されている[20]

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脚注

関連項目

外部リンク

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