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シクロオクタン

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シクロオクタン
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シクロオクタン(cyclooctane)は、分子式 C8H16で表される、分子量 112.2 の環状の飽和炭化水素である[2]。しばしば飽和8員環化合物の代表として言及される。

概要 シクロオクタン, 識別情報 ...
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立体配座

シクロオクタンの立体配座は、計算化学の手法を使って広く研究されてきた。その中でHendricksonは

「似かよったエネルギーの立体配座が幾つも存在するので、シクロオクタンは立体化学において、紛れもなく最も複雑なシクロアルカンである。」

と述べた[3][注釈 1]

結局は、舟-いす形 (I) こそが、シクロオクタンにおける最も安定な立体配座であると判明した[3]。この配座はAllingerらによって確認された[4]。なお、かんむり形 (II) は「舟-いす形」と比べて、僅かに不安定である[5]。なお、かんむり形配座が安定な化合物は沢山存在するが、その中でも硫黄の同素体の形の1つであるS8は有名である。

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舟-いす形配座 (I)
かんむり形配座 (II)

反応理論

シクロオクタン誘導体の製法の1つとして、ブタジエンの2量化を紹介する。ここではビス(シクロオクタジエン)ニッケルのようなニッケル(0)錯体を触媒に利用する[6]。この過程で、1,5-シクロオクタジエン (COD) などの化合物が生成する。CODは均一系触媒の前駆体の調製に広く使われる。CODを水素化して、飽和炭化水素にする方法で、シクロオクタンを合成できる。

C8H12 + 2 H2 → C8H16

典型的な飽和炭化水素と同様に、シクロオクタンは燃焼反応やフリーラジカルハロゲン化反応を起こす。アルカン官能化の最近の研究は、化学の領域をいくぶん広げている。例えば、過酸化ジクミルのような過酸化物を用いる、フェニルアミノ基の研究がそうである[7]

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ニトロベンゼンによるシクロオクタンのアミノ化。

樟脳臭を有する物質

樟脳の匂いの主成分はカンファーとして知られている。しかし、カンファーとは全く分子構造が異なるのに、シクロオクタンも樟脳のような匂いがすると言われる。さらに、例えばヘキサクロロエタンなども、樟脳のような匂いがすると言われている。嗅覚については不明な点が多いとされる理由の1つとして、これらの例ように極性も分子形も全く違うのに、ヒトが官能試験を行うと、いずれも似た臭気だと感ずる化合物群が存在する点も挙げられる。

法規制

日本では、消防法による第4類危険物の第2石油類に該当する[8]

脚注

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