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シャチブリ目
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シャチブリ目(学名:Ateleopodiformes)は、硬骨魚綱の分類群(目)の一つ。シャチブリ科1科のみで構成され、4属のもとに12または13種を含む[1]。所属する魚類の多くは深海魚である。
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分布・生態
シャチブリ目の魚類はすべて海水魚で、カリブ海から大西洋東部、インド洋から西部太平洋、およびパナマ・コスタリカ沖の東部太平洋に分布する[1]。ほとんどの種は、深海の海底付近に生息する底生魚である[2]。日本近海からはこれまでに6種が知られ、底曳網などでまれに漁獲される[3][4]。
形態
シャチブリ目の魚類はソコダラやギンザメの仲間に似た、尻すぼみの細長い体型をもつ[3]。頭部は大きく丸みを帯び、最大で全長2 mに達する[1]。体は全体的に軟らかく、特に吻(口先)はゼラチン質でぶよぶよしており、英語名「Jellynose fish」の由来となっている[1][3]。
鰭に棘条をもたない[3]。背鰭の基底は短く、軟条は3-13本[1]。腹鰭は喉に位置し、成魚では1本の鰭条が糸状に細長く伸びる[1]。尾鰭は退化的で、ヒョウモンシャチブリ属以外では長い臀鰭と連続する[1]。臀鰭の軟条は70本以上[1]。骨格の大半は軟骨で構成され、鰓条骨は7本[1]。
分類
要約
視点
シャチブリ目は単独でシャチブリ上目 Ateleopodomorpha を構成する[1]。シャチブリ科はかつてアカマンボウ目に含められ、ハダカイワシ目とも近い関係にあることが指摘されていた[5]。しかし、2000年代以降に実施された多くの分子系統解析は、シャチブリ類は他のすべてのNeoteleostei(新真骨類:円鱗上目=ヒメ目以降のすべての真骨類を含むグループ)の姉妹群であることを示唆している[1]。
シャチブリ科


シャチブリ科 Ateleopodidae にはNelson(2016)の体系において4属12または13種が認められているが[1]、本科の分類には不確実な部分が多く、さらなる検討が必要とされている[4]。中新世中期の地層から、耳石の化石が見つかっている[3]。
Kaga et al. (2015) は解剖学的特徴、DNA分析などを用いAteleopus schlegelii, タナベシャチブリ A.tanabensis およびムラサキシャチブリ A. purpureus の3種はいずれもシャチブリ A. japonicusのシノニムであると認めた[7]。一方で、Kaga (2016) によってシャチブリ属の新種として、シログチシャチブリ Ateleopus edentatus が記載されている[8]。また Ateleopus natalensis も A. japonicus のシノニムであるとKaga (2017) により認められた。
- オオシャチブリ属 Ijimaia
- オオシャチブリ Ijimaia dofleini Sauter, 1905
- ヤソシャチブリ Ijimaia loppei Roule, 1922
- Ijimaia antillarum Howell Rivero, 1935
- Ijimaia fowleri Howell Rivero, 1935
- Ijimaia plicatellus Gilbert, 1905
- シャチブリ属 Ateleopus
- シャチブリ Ateleopus japonicus Bleeker, 1854
- タナベシャチブリ Ateleopus tanabensis Tanaka, 1918
- ムラサキシャチブリ Ateleopus purpureus Tanaka, 1915
- Ateleopus indicus Alcock, 1891
- Ateleopus natalensis Regan, 1921
- シログチシャチブリ Ateleopus edentatus Kaga, 2016
- ヒョウモンシャチブリ属 Guentherus
- ヒョウモンシャチブリ Guentherus katoi Kuwayama & Hirate, 2008
- Guentherus altivela Osório, 1917
- Parateleopus 属
- Parateleopus microstomus Smith & Radcliffe, 1912
出典・脚注
参考文献
外部リンク
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