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シーカ (刀剣)

古代ローマの短刀 ウィキペディアから

シーカ (刀剣)
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シーカラテン語: Sica)は、トラキア人[1]イリュリア人が使用したことで知られる[2]古代ローマ短刀[1]

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シーカ(木製)を構えるトラキア風剣闘士(トライクス)
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紀元前1世紀のダキア人の墓地から発掘されたシーカと鞘(ミュンヘンケルト博物館)

語源

古代ギリシャ・ローマ事典英語版Dictionnaire des Antiquités Grecques et Romaines)では語源をインド・ヨーロッパ祖語のSek-(分割、切断等を意味する接頭辞)と推定しているが[1]、オランダの言語学者ミヒル・ド・ヴァンはSekが接頭辞として扱われることはないとしている[3]。また、アルバニア祖語英語版tsikā(ナイフを意味するアルバニア語thikëの語源)、イリュリア語経由でインド・ヨーロッパ祖語のḱey-(鋭利にする)の可能性も指摘されている[4][5]

形状

形状から3つの形式に分類可能である。

第一の形式は特徴がはっきりしており、短く鋭い切っ先に続く刀身の中央部直前で屈曲、僅かに反りの入った刀身が短い中子に続いている。通常中子は三角形であり、刀身にほど近い位置に目釘による固定用の穴が開けられている。刀身には刀身彫りが施され、樋は深く彫られている。一般的に共通してみられる特徴は、大きさと形状である[6]

第二の形式は、形態的には大きく変わるものではなく、第一のそれほど特徴がはっきりしていないが、より刀身が長く、樋もまたそれに沿っており、ほとんどの場合中子は短い三角形状である[6]

第三の形式は、数多く製造されたもので、多数集めて特徴づけたところ、長い刀身、大抵は簡素な作りで、装飾は円または線もしくはその双方であり、樋を備え、さらに円筒状の鍔と、柄と同サイズの中子を有している。これらの特徴は、全てを備えているものも、一つないし複数の特徴を備えているものもある。標準化された形跡があり、長さ30から40cm、幅約3cmとなっている。時系列的には、紀元前2世紀から紀元前1世紀にかけてのものである[6]

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古代ローマ

古代ローマでは、暗殺者を指す語としてシカリウス(Sicarius)が存在した[1]。また、第三次奴隷戦争で縮小されるまで、トラキア風の剣闘士トライクス英語版も存在していた[1]

短い曲刀は、地中海沿岸の多くの民族で用いられたが、ローマ人はイリュリア人の暗殺者(Sicarius)が用いる武器と見なしていた。(John Wilkes)[7]

出典

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