ジアジリジン

ジアジリジン(Diaziridine)は、三員環の中に2つの窒素原子を含む複素環式化合物である。歪みの大きいヒドラジンと考えることもできる。環の歪みのせいで、窒素原子は配置的に安定で、幾何異性体となっている。通常は、E. Schmitzが開発した方法で合成される。この方法では、弱塩基性下で、カルボニル化合物をアンモニアまたは脂肪族アミン、ヒドロキシルアミン-O-スルホン酸（英語版）等のアミノ化剤で処理する^[1]。最終段階は、アミナールの分子内環化に基づいている。

ジアジリジン
優先IUPAC名 Diaziridine
系統名 Diazacyclopropane
別称 Diazirane 1,2-Diazacyclopropane
識別情報
CAS登録番号	463-64-9
3D model (JSmol)	Interactive image
ChemSpider	4236879
PubChem CID	5059686
CompTox Dashboard (EPA)	DTXSID701029321
InChI InChI=1S/CH4N2/c1-2-3-1/h2-3H,1H2  Key: DIXBSCZRIZDQGC-UHFFFAOYSA-N  InChI=1/CH4N2/c1-2-3-1/h2-3H,1H2 Key: DIXBSCZRIZDQGC-UHFFFAOYAM
SMILES N1NC1
特性
化学式	CH4N2
モル質量	44.06 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

反応

• 非置換ジアジリジンは、より安定なジアジリンに直接酸化(I₂/NEt₃)されやすい。
• ケテンやイソシアネート等の求電子剤との反応で、環の拡張反応が起こる。
• いくつかの誘導体は、向神経性作用を持つ^[1]。