トップQs
タイムライン
チャット
視点

ジル・トルノアのエタロン

ウィキペディアから

Remove ads

光学において、ジル・トルノアのエタロン (: Gires–Tournois etalon) とは、透明板の両面を反射面とし、そのうち片方の反射率だけを非常に高くしたものである[1]。ジル・トルノアのエタロンに入射した光は(ほとんど)完全反射されるが、干渉によってその位相シフト波長に強く依存することになる。

ジル・トルノアのエタロンの複素振幅反射率は次のように与えられる。

ここで、 r1 は最初の反射面における複素振幅反射率、 δ は次に示す定数である。

n: 透明板の屈折率
t: 透明板の厚さ
θt: 透明板内へ入射する光の屈折角
λ: 入射光の真空中における波長
Remove ads

非線形実効位相シフト

要約
視点
Thumb
様々に R の値を変えて非線形位相シフト Φδ の関数としてプロットした図。R = 0, 0.1, 0.5, 0.9

r1 を実数とする。 すると、δ にかかわらず |r| = 1 が成り立つ。このことは全ての入射エネルギーが反射され、その強度も波長によらず一様であることを示す。しかし、多重反射により位相シフト Φ は非線形となる。

この効果を示すため、r1 は実数で、最初の面における強度反射率 R を用いて r1=R のように表わせるものとする。実効位相シフト Φ を次のように定義する。

すると、以下の式が得られる。

R = 0 のとき、最初の面では反射は起こらず位相シフトは光路長の往復分となり (Φ = δ)、線形な応答を示す。しかし、R を増やしていけば非線形位相シフト Φδ に対して右の図のような非線形な階段的応答を示しはじめる。ジル・トルノアのエタロンはレーザーパルス圧縮[1][2]や非線形マイケルソン干渉計などに応用されている。

ジル・トルノアのエタロンはファブリ・ペローのエタロンに深く関連している。

Remove ads

出典

参考文献

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads