スペースX Crew-6

スペースX Crew-6はクルードラゴン宇宙船による、NASA商業乗員飛行としては6回目、有人軌道飛行としては9回目の飛行である。このミッションは2023年3月2日の05:34:14 UTCに打ち上げられ、2023年3月3日 06:40 UTCに国際宇宙ステーション（ISS）へのドッキングに成功したCrew-6ミッションでは国際宇宙ステーション（ISS）へ4名の乗員を輸送した。このミッションには2名のNASAの飛行士、1名のアラブ首長国連邦の飛行士および1名のロシア人飛行士が割り当てられた。2名のNASAの飛行士はスティーブ・ボーエン（英語版）とウォーレン・ホバーグ（英語版）が割り当てられている^[5]。ロシアのアンドレイ・フェジャーエフ（英語版）飛行士はソユーズMS-23から割り当て変更された。スルタン・アル・ネヤディ（英語版）がこの飛行での首長国連邦の任務を指揮した。

スペースX Crew-6

国際宇宙ステーション（ISS）に接近するCrew-6のクルーが搭乗したクルードラゴン エンデバー
名称	USCV-6
任務種別	ISS乗員輸送
運用者	スペースX
COSPAR ID	2023-027A
任務期間	185日（完了）
特性
宇宙機	クルードラゴン エンデバー[1]
宇宙機種別	クルードラゴン
製造者	スペースX
打ち上げ時重量	12,519 kg
着陸時重量	9,616 kg
乗員
乗員数	4
乗員	スティーブ・ボーエン（英語版） ウォーレン・ホバーグ（英語版） スルタン・アル・ネヤディ（英語版） アンドレイ・フェジャーエフ（英語版）
任務開始
打ち上げ日	2023年3月2日 05:34:14 UTC[2][3][4]
ロケット	ファルコン9ブロック5 B1078.1
打上げ場所	ケネディ宇宙センター、LC-39A
打ち上げ請負者	スペースX
任務終了
回収担当	ミーガン
着陸日	2023年9月4日 04:07 UTC
着陸地点	大西洋
軌道特性
参照座標	地球周回軌道
体制	低軌道
傾斜角	51.66°
ISSのドッキング（捕捉）
ドッキング	ハーモニー 天頂側
ドッキング（捕捉）日	2023年3月3日 06:40 UTC
分離日	2023年5月6日 11:23 UTC
ドッキング時間	64日 4時間 43分
ISS（再配置）のドッキング（捕捉）
ドッキング	ハーモニー 前方側
ドッキング（捕捉）日	2023年5月6日 12:01 UTC
分離日	2023年9月3日 11:05 UTC
ドッキング時間	119日 23時間 4分
スペースX Crew-6の徽章 （左から）アル・ネヤディ、ホバーグ、ボーエンおよびフェジャーエフ 商業乗員輸送計画 « スペースX Crew-5 スペースX Crew-7 »

スペースX Crew-6

COSPAR ID	2023-027A
クルードラゴンの飛行 « スペースX Crew-5 アクシオム ミッション2 »

クルー

2022年3月24日に欧州宇宙機関はデンマーク人飛行士アンドレアス・モーゲンセン（英語版）が予備クルーをつとめると発表した^[6]。2022年4月29日、MBRSC（英語版）およびアクシオム・スペースはCrew-6には1名のアラブ首長国連邦の飛行士が搭乗すると発表した^[7]。

このミッションへのMBRSCの参加は、NASAの宇宙飛行士マーク・T・ヴァンデハイがソユーズMS-18（打ち上げ）およびソユーズMS-19（帰還）に搭乗し、ISSにアメリカ人飛行士が継続して搭乗させるという2021年のNASAとアクシオムとの合意の副産物である。その見返りとして、アクシオムはNASAが所有するスペースX Crew-6の座席の権利を取得した。アクシオムはアラブ首長国連邦との合意に基づき、MBRSCの職業宇宙飛行士に飛行の機会を与えることになった^[8]。その後、この飛行士がスルタン・アル・ネヤディ（英語版）であることが確認された^[9]。

アンドレイ・フェジャーエフ（英語版）は2022年7月に、ISSに少なくとも1名のNASAの飛行士と、1名のロスコスモスの飛行士を搭乗させるためのソユーズ・ドラゴン乗員交代システムの一部としてこのこのミッションに選別された^[10]。これによって両国はステーションでの存在感を確保し、ソユーズないし商業乗員輸送機のどちらかが長期間飛行停止となった場合にもそれぞれのシステムを維持することが可能となる^[11]。

地位	宇宙飛行士
船長	スティーブ・ボーエン（英語版）, NASA 第68 / 69次長期滞在 4回目の宇宙飛行
操縦士	ウォーレン・ホバーグ（英語版）, NASA 第68 / 69次長期滞在 1回目の宇宙飛行
第1ミッションスペシャリスト	スルタン・アル・ネヤディ（英語版）, MBRSC（英語版） 第68 / 69次長期滞在 1回目の宇宙飛行
第2ミッションスペシャリスト	アンドレイ・フェジャーエフ（英語版）, ロスコスモス 第68 / 69次長期滞在 1回目の宇宙飛行

地位	宇宙飛行士
船長	ジャスミン・モグベリ（英語版）, NASA
操縦士	アンドレアス・モーゲンセン（英語版）, ESA
第1ミッションスペシャリスト	ハザ・アル・マンスーリ（英語版）[12], MBRSC（英語版）
第2ミッションスペシャリスト	コンスタンチン・ボリソフ（英語版）[13], ロスコスモス

ミッション

6回目のスペースXが運用する商業乗員輸送計画のミッションは2023年3月2日に打ち上げられ、約6ヶ月間続いた。このミッションは2023年2月27日早朝の打ち上げが計画されていた。しかしながら、1度目の打ち上げの試みは中止され、2023年3月2日 05:34 UTCに再スケジュールされた^[2][3][4]。2回目の打ち上げの試みは成功した。

Crew-6のドラゴンカプセルは、Crew-5同様にソユーズMS-23とともに緊急避難的にソユーズMS-22の乗組員を帰還させるための宇宙カプセルとしても設計されている。ロスコスモスはこの能力を使う代わりに、MS-22のクルーを帰還させるためにクルーなしでソユーズMS-23を打ち上げることを選択した^[14]。

打ち上げの試み

最初の打ち上げの試みは、TEA-TEB自然発火液の問題で、打ち上げ2時間12分前（T-02:12）に延期された ^[15]。（時刻はUTC）

回目	時刻	結果	再準備期間	理由	決定時間	好天確率 (%)	補足
1	2023-02-27, 06:45:03 UTC 2023年2月27日6:45:03 am	延期	---	TEA-TEB 点火剤問題	2023-02-27, 06:43 2023年2月27日6:43:00 am(-00:02:12前)	95[16]	ロケットの打ち上げ失敗リスク（点火ミスや早期エンジンカット）
2	2023-03-02, 05:34:14 UTC 2023年3月2日5:34:14 am	成功	2日22時間49分			95[17]

ギャラリー

スペースX Crew-6

• 
  打ち上げ前のCrew-6の宇宙飛行士
• 
  Crew-6の打ち上げ
• 
  ISSに接近するCrew-6