トップQs
タイムライン
チャット
視点
ルッジェーロの書
ウィキペディアから
Remove ads
『ルッジェーロの書』[3][4]、『ルージャールの書』Kitāb Rujār、Kitāb al-Rujārī[5]、または『ロジェールの書』[6]、『ロゲリウスの書』[7](1154年)は、ノルマン朝シチリア王ルッジェーロ2世[注 1]の勅を受け中世イスラームの地理学者イドリースィーが製作した世界地図および地理書。


『タブラ・ロゲリアナ』[要出典] Tabula Rogeriana[2] というラテン語名称のほうが西洋では知名度が高い。
正式名称は『世界横断を望む者の慰みの書』[3]または『諸地方を旅行したいと願う人の気晴らしの書』 Kitāb Nuzhat al-mushtāq fi'khtirāq al-āfāq [5][注 2]、アラビア語: نزهة المشتاق في اختراق الآفاق[8]だが、一般には解説本を《イドリースィーの地理書》[9][10]、地図を《イドリースィー図》等と呼び習わしている[11]。
フランス語版完訳がジョーベール(Pierre Amédée Jaubert)によって刊行されている(1836年)[8][12]。
Remove ads
概説
要約
視点
イドリースィーはノルマン王ルッジェーロ2世の宮廷で王命により[5]、1138年頃から15年間写本の彩色と注釈の仕事に従事してきた[13][14]。
その本『ルージャールの書』(Kitāb Rujār、Kitāb al-Rujārī)、正式名称は『諸地方を旅行したいと願う人の気晴らしの書』(Kitāb Nuzhat al-mushtāq fi'khtirāq al-āfāq)は[5]、 アラビア語で書かれ、7つの気候帯に分けられ (2世紀の古代ローマの学者プトレマイオスの手法を踏襲している)、各部は更に10に分割され、合計70区画から構成されている(写本見開き2葉で1区画なので合計140葉となる)[10][14][15]。地図はユーラシア大陸をヨーロッパ西端から極東の中国東端まで、そして北アフリカを含んでいる[11][4][2]。地図は北を底辺としている。作成されて後、3世紀の間世界でもっとも正確な地図であったとされる[14][15]。70の区画に関する地図の説明は、物理的、文化的、政治的、社会経済的な状況を著している[14][16]。
イドリースィーは地図を作成するために個人や団体の旅行者に、彼らの世界に関する知見をインタヴューし、“矛盾は除外し、信頼できる内容や完全に同意できることだけ”を編纂した[13]。ルッジェーロ2世は300ポンドの重さの銀製の円盤に地図を刻印したと言われている[13][17]。イドリースィーによると、“7つの気候帯は、国々と地方、海岸、島々、湾、海、水路や河口とともに示されている”とのことである[13]。
イドリースィーの業績についてS・P・スコットは以下のコメントをしている:
『ルージャールの書』の写本は現在10つの写本が残っており、そのうちの5つは完全なテキストを有しており、そのうちの8つが地図を有している[14]。フランス国立図書館は2つの写本を蔵しており、そのうちの一つはもっとも古い1325年に遡る写本 (MS Arabe 2221) である。他の写本は1553年にカイロで作成されたものでオックスフォード大学の ボドリアン図書館に収蔵されている (Mss. Pococke 375)。それは1692年にオックスフォードに齎された[18]。 もっとも完全な写本は、世界地図と7つの気候帯の地図を含み、イスタンブールに保管されている[16]。
Remove ads
注釈
出典
外部リンク
Wikiwand - on
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Remove ads