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タンドリーチキン

インド亜大陸が発祥の鶏肉料理 ウィキペディアから

タンドリーチキン
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タンドーリ・チキン英語: Tandoori Chickenタンドリー・チキンとも)とは、鶏肉ヨーグルトと各種の香辛料に漬け込み、「タンドール」と呼ばれる円筒形の土窯で焼いた料理インド亜大陸が発祥の鶏肉料理である。

概要 Tandoori Chicken, 別名 ...

起源

タンドーリ・チキンに似た料理は、ハラッパン文明時代にも存在した可能性がある。デカン大学英語版の副学長で考古学者のヴァサント・シンデ(Vasant Shinde)によれば、タンドーリ・チキンに似た料理の最古のものはハラッパン文明にあり、紀元前3000年にまで遡るという。シンデ率いる研究団は、パンジャーブ州で使われているタンドールに似た古代のをハラッパン遺跡で発見し、そこからは炭化した跡のある鶏の骨が発掘された[11][12][13]。ハラッパンの家屋の中央には、柱がある鍵穴式の窯があり、これは肉を直火焼きにしたり、パンを焼くのに使われた[14]。古代の文献、「スシュルータ・サミータ」(Sushruta Samhita)には、肉を黒ガラシの粉や香辛料に漬け込んだあとに、「カンドゥ」(窯)で調理した、との記録が残っている[15]。アハメッド(Ahmed, 2014)は、ハラッパン文明における窯の構造は、パンジャーブ地方のタンドール窯と同様の方法で機能していた可能性を示唆している[16]

料理としてのタンドーリ・チキンの発祥の地は、インド分割独立前のパンジャーブ地方である[17][18]1940年代後半、ニューデリーのダリヤーガンジ[19][20]にて、クンダン・ラール・グージョラルとクンダン・ラール・ジャッギが普及させた[8][21][22][23][24]。彼らは「モティ・マハール」の創業者でもある[1][2][3][4][23]。モカ・スィン(Mokha Singh)は、インドのペシャワール地方でレストランを創立した[5][6][7]

アメリカ合衆国でタンドーリ・チキンがレストランの献立表に載るようになったのは1960年代からである。1962年、「ジャクリーン・ケネディJacqueline Kennedy)がローマからボンベイへの飛行旅行の途中で、チキン・タンドーリを食べた」と報道された[25]

1963年、『ロス・アンジェレス・タイムス』(Los Angeles Times)に「パーティー・ディナー向けの斬新な発想を思考中の女主人」に向けてタンドーリ・チキンの調理法が掲載され[26]1964年にも同様の調理法が掲載された[27]

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下ごしらえ

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タンドール窯で調理中の様子

生の鶏肉を「ダヒ」(ヨーグルト)と「タンドーリ・マサラ」(複数の香辛料を混ぜ合わせたもの)の混合液に漬け込む。味付けは、カイエン・ペッパー、赤唐辛子の粉、カシミール・レッド・チリパウダー、ターメリック、着色料を用いる[28]。鶏の皮を剥いでから漬け汁(マリネ)に漬け込み、その肉を串に刺し、炭や薪で熱したタンドール窯の内部で高温で調理することにより、煙による黒化の風味が加わる。串や回転式串焼き器(Rotisserie)、高温による炭火を利用した一般的な窯でも調理は可能である[29]

鶏を丸焼きにするタンドーリ・チキンもあり、これはタンドール窯で焼くものと炭火で焼くものとがある。「チルガ」(鶏一羽を直火焼きにしたもの)、「タンドーリ・モルク」(アーモンドを加えた直火焼きの鶏肉)、「モルク・カバーブ・スィーコ」(串焼きにした鶏肉詰め)、「クーカル・タンドーリ」(蒸し鶏の串焼き)、「タンドーリ・モルク・マッサリダーロ」(香辛料を効かせた鶏の串焼き)、「モルギー・ボーガル」(ボーガル流鶏肉)がある[30]

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調理法

タンドーリ・チキンは、前菜はもちろん、主菜としても食べられるものであり、ナンを添える形で提供されることが多い[31]。バターチキン・カレーのように、クリームを使ったカレールーの素地としても用いられる[32]ベンガル地方のルーイ・ポストで調理されたタンドーリ・チキンの亜種が、コラガート - コルカータ間にある地元の簡易食堂に登場している。タンドーリ・チキンは大英帝国から独立後のインド、ダリヤーガンジにある「モティ・マハール」にて[33][34]、インドの初代首相、ジャワハルラール・ネルーに振る舞われたことで普及した[35]。タンドーリ・チキンは、公式の宴会で提供される定番の料理となった[35]

派生料理

タンドーリ・チキンが有名になると、世界各地にあるインド料理店の献立表に見られるチキン・ティッカ(のちにイギリスで広まったチキン・ティッカ・マサラを含む)を始め、多くの派生料理ができた[36]。それらの派生料理の多くは、いずれもヨーグルトと柑橘類を基礎としたマリネから調理する[37][38]

出典

外部リンク

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