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テクネチウムの同位体
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テクネチウム(Tc)は、原子番号82番までのうち、プロメチウムとともに安定同位体を持たない元素である[1]。ゆえに、総ての同位体が放射性同位体であるため、標準原子量を定めることができない。最も安定な放射性同位体は98Tcで半減期は420万年、97Tcの半減期は260万年、99Tcの半減期は21万1100年である[2]。
その他、原子量87.933(88Tc)から112.931(113Tc)の範囲に22種類の放射性同位体が見つかっていて、93Tc(半減期2.75時間)、94Tc(半減期4.883時間)、95Tc(半減期20時間)、96Tc(半減期4.28日)を除き、そのほとんどが半減期1時間以下である[2]。
また、多くの核異性体も存在する。97mTcは最も安定で、半減期は90.1日(0.097MeV)である。これに続くのが95mTc(半減期61日、0.038MeV)、99mTc(半減期6.01時間、0.143MeV)である。99mTcは唯一β線を出さず、核異性体転移によって99Tcになる[2]。その際放出するγ線は体外から測定しやすく、半減期も適当に短いので、画像診断に用いられる。
99mTcは99Moの娘核種で、99MoをMoO42-の形でアルミナカラムに吸着させて1日放置することで99mTcと過渡平衡を成立する。生理的食塩水で溶出すると99mTcO4-が得られることから、このアルミナカラムを99mTcジェネレータと言い、この作業をミルキング(milking)という。
最も安定な98Tcよりも軽い同位体は電子捕獲により崩壊し、モリブデンを生成する。98Tcよりも重い同位体はベータ崩壊し、ルテニウムになる。100Tcは電子捕獲もベータ崩壊も起こす[2][3]。
99Tcはウラン235の分裂から生成し、最も手に入りやすい同位体の一つである。 半減期が長いことから、核変換を行う対象として取り上げられることがある[4]。 1グラムの99Tcは1秒間に6.2×108個の崩壊(0.62GBq/g)を起こす[5]。
2017年、理化学研究所はRIビームファクトリーを用いて新たに121Tc、122Tcの合成に成功したと発表した[6]。
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出典
参考文献
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