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デジタル物理学

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デジタル物理学(デジタルぶつりがく、: digital physics)とは、「宇宙は本質的に情報により記述可能であり、それ故、計算可能である」という仮定によって導かれる、物理学及び宇宙論における理論的展望の総称である。このような仮定を立てるとき、宇宙は、コンピュータプログラムの出力、あるいはある種の巨大なデジタル計算デバイスとして理解される。

デジタル物理学は、以下の一つ以上の仮説を基礎としている。(なお、記載の順番はその主張の強さを示す):宇宙(あるいは現実)は、

  1. 本質的に情報である(ただし、各情報のオントロジーがデジタルである必要はない)
  2. 本質的に計算可能である
  3. デジタルに記述可能である
  4. 本質においてデジタルである
  5. それ自身が壮大なコンピュータ計算機)である
  6. シミュレーテッドリアリティ実行の結果である

歴史

すべてのコンピュータ情報理論統計力学および量子力学の原理と明白な整合性がとれていなければならない。これら分野の基本的な結びつきは1957年にEdwin Jaynesにより2つの論文[1]により提起された。さらに、Jaynesは確率論を「一般化されたアリストテレス論理学」として解釈しなおした[2]。この視点は、古典論理やそれと等価なブール代数論理演算を実装するよう設計されたデジタルコンピュータと基礎物理学を結びつけるのに都合がよい。

宇宙デジタルコンピュータであるという仮説は、コンラート・ツーゼがその著書Rechnender Raum(英訳版:Calculating Space)にて初めて提起した。デジタル物理学という用語は最初にエドワード・フレドキンが使ったが、彼はのちにデジタル哲学という用語のほうを好むようになった[3]。宇宙は巨大なコンピュータであるとする人物には、スティーブン・ウルフラム[4]Juergen Schmidhuber[5]、ノーベル賞受賞者の ヘーラルト・トホーフト[6]がいる。これら著者らは、量子力学確率論的性質は計算可能性とは必ずしも非整合ではないと考えている。量子版のデジタル物理学は最近セス・ロイド[7]デイヴィッド・ドイッチュPaola Zizzi[8]により提案されている。

関連するものとしてカール・フリードリヒ・フォン・ヴァイツゼッカーの binary theory of ur-alternatives、汎計算主義 (pancomputationalism)、計算的宇宙論 (computational universe theory)、ジョン・ホイーラーの "It from bit"、マックス・テグマーク数学的宇宙仮説(究極集合)がある。

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脚注

関連項目

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