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トガマムシ科

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トガマムシ科
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トガマムシ科(トガマムシか、Rhachiberothidae)は、アミメカゲロウ目に属する昆虫の科。カマキリに類似した鎌状の前脚を持つ完全変態昆虫である。

概要 トガマムシ科, 分類 ...
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概要

トガマムシ科はアミメカゲロウ目の小さい分類群で、カマキリモドキ科ケカゲロウ科、そして中生代白亜紀の絶滅科であるDipteromantispidaeと共にカマキリモドキ上科を構成する(Dipteromantispidaeは上科不明であったが、雄交尾器形態の特徴からカマキリモドキ上科に属すると考えられるようになった[1])。トガマムシ科の現生種はHoelzeliella属(1種)、Mucroberotha属(7種)、Rhachiberotha属(5種)、Rhachiella属(1種)の4属14種が記載されているにすぎない。また分布域も限られておりアフリカ大陸のサハラ砂漠以南、特に南部に遺存的に分布している。 一方、トガマムシ科の化石はアメリカカナダ日本バルト海フランスミャンマーレバノンの世界各地の琥珀から複数見つかっており、中生代白亜紀から新生代第三紀にかけて、2025年10月時点で22属30種1不明種が記録されている。このように、現生種よりも絶滅種の方が多く記載されているのもこの科の特徴である。また、トガマムシ科はトガマムシ亜科(Rhachiberothinae)とトゲズネトガマムシ亜科[2](Paraberothinae)に分類され、現生種4属14種は全てトガマムシ亜科に含まれる。トゲズネトガマムシ亜科は中生代白亜紀の化石種で構成される。なお、トガマムシ亜科およびトゲズネトガマムシ亜科は、同じカマキリモドキ上科に属するケカゲロウ科の亜科とされることもあるが、遺伝子解析や化石の再調査などによる近年の研究によりトガマムシ科は独立した科として扱われている[3]

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分類

要約
視点

トガマムシ科は形態的特徴からトガマムシ亜科(Rhachiberothinae Tjeder, 1959[4])とトゲズネトガマムシ亜科(Paraberothinae Nel et al., 2005[5])に分類される。

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クジコハクトガマムシ

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クジコハクトガマムシの模式標本

2006年岩手県久慈市にある約8,600万年前(白亜紀後期)の地層から久慈琥珀博物館佐々木和久館長(当時)が発見し、その後長らく日本唯一のカマキリの化石だと考えられていた琥珀内の昆虫化石を再調査した結果、トガマムシ科トゲズネトガマムシ亜科の新種の昆虫である事が明らかになり、2018年にZooKeys誌にて記載された。これは絶滅種も含んだ日本および東アジア地域におけるトガマムシ科初の記録である[27][24]触角の構造や前脚第一跗節の棘状剛毛の数、前脚腿節の長さなどに他種との差異が認められたことから新種として記載され、「クイベロータ・テルユキイ(Kujiberotha teruyukii」の学名と「クジコハクトガマムシ」の和名が付けられた。種小名の「テルユキイ(teruyukii)」は、昆虫好きで知られ認知度拡大に貢献している俳優の香川照之にちなんで命名されたものである[27][24]。属名のKujiberothaの読みは「クジベローサ」として発表されたが、学名に用いられるラテン語では「クイベロータ」と発音するのが正式である[2]。また、トガマムシという和名はこの発見に基づき鋭利な鎌という意味を持つ「利鎌(とがま)」にちなんで名付けられた新称で、九州大学総合研究博物館准教授丸山宗利博士の発案による[27]

なお、クジコハクトガマムシは仮面ライダーゼロワンの第1話『オレが社長で仮面ライダー』(2019年9月1日放送)に登場する怪人「ベローサマギア」[28]のモチーフとなった。

関連項目

参考文献

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