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ドーパミン受容体

受容体の一つ ウィキペディアから

ドーパミン受容体
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ドーパミン受容体(ドーパミンじゅようたい、: dopamine receptor)は、主に中枢神経系にあるGタンパク質共役受容体(GPCR)の一種であり、神経伝達物質であるドーパミンと結合する。

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ドーパミンD3受容体の構造(エチクロプリドとの複合体)

分類

現在知られているドーパミンの受容体は5つある。下記の2群に分け、それぞれ興奮性、抑制性に作用すると論じられることが多いが、実際にはドーパミンの薬理学的、電気生理学的作用は単純ではない[1]。興奮性、抑制性作用の議論は主として、即時型遺伝子 (immediate early gene, IEG) の発現の増加、減少の観察にもとづいている[2]

D1様受容体ファミリー(興奮性)

D1様受容体ファミリーの活性化はGタンパク質Gαsと共役し、それによってアデニル酸シクラーゼが活性化され細胞内のcAMP濃度が上昇する。プロテインキナーゼA (PKA) の活性によってDARPP32リン酸化される。その後の機序はまだ不明の点が多いが、即時型遺伝子の発現が上昇することから、神経細胞(ニューロン)は活動電位を生じ易くなると考えられている。ただし実際の作用は単純ではない[1]。また、腎臓など内臓血管の平滑筋にも分布しており、cAMP濃度の上昇によって筋を弛緩させる。

D1受容体
D5受容体
D1受容体に比べると脳での発現量は少ない。

D2様受容体ファミリー(抑制性)

D2様受容体ファミリーの活性化はGタンパク質のGαiと共役し、Gαiホスホジエステラーゼの活性を高め、ホスホジエステラーゼによってcAMPが分解される。その後の機序にはまだ不明の点が多いが、即時型遺伝子の発現が低下することから、最終的にニューロンの発火を抑制すると考えられている。ただし実際の作用は単純ではない[1]

D2受容体
ヒトラットの両方において、選択的スプライシングによって短いタイプ(D2SまたはD2 short)と、29アミノ酸だけ長いタイプ(D2LまたはD2 long)のアイソフォームが作られる[3][4]統合失調症の陽性症状を改善するのはドーパミンD2受容体拮抗作用をもつ抗精神病薬であるとされている[5]
D3受容体
D3受容体の発現はカレハ島(island of Calleja)や側坐核に最も顕著である[6]
D4受容体
この遺伝子が犬などの気質に関連すると研究される[7]
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脚注

関連項目

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