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ニッケルの同位体

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ニッケルNi)の同位体のうち天然に生成するものには、58Ni、60Ni、61Ni、62Ni、64Niの5種類がある。そのうち58Niが天然存在比68.077%と最も多量に存在する。18種類の放射性同位体が確認されていて、そのうち59Niの半減期が最も長く7万6000年である。また、63Niの半減期は100.1年、56Niの半減期は6.077日である。その他全ては60時間以下の半減期を持ち、そのほとんどは30秒以下である。1つの核異性体も持つ。

59Niは宇宙線から生成される長寿命の放射性同位体であり、半減期は7万6000年である。59Niには、隕石の年代測定や氷や堆積物中の地球外物質の割合の測定等、同位体地質学で多くの用途がある。60Niは既に崩壊しつくした60Fe(半減期260万年)から直接生成した同位体である。長い半減期を持っていたため、太陽系の物質に高割合で60Feが存在していた領域があれば60Ni構成割合に観測できる程度の多様性を生み出しているはずである。そのため、地球外の物質の60Ni構成割合を測定することにより、太陽系の形成と進化を知ることができる。

62Niは、電子殻まで計算に入れると、全ての同位体の中で核子当たりの結合エネルギーが最も大きい。そのため、この同位体を形成する反応は、より大きな原子を形成する反応よりも多くのエネルギーを放出する。例えば、2つの40Ca原子から80Krを形成する反応では、核子当たり4つの電子と77KeVのエネルギーを放出するが、やニッケルを形成する反応ではバリオン当たりさらに多くのエネルギーを放出する。

63Niは、63Cu高速中性子が衝突することにより生成され、半減期は100.1年である。広島原爆において被爆した銅サンプル中の63Niの量を測定することにより、被曝量を推定する研究が行われている[1]

1999年に発見された48Niは既知のニッケルの同位体のうち、最も中性子が少ない同位体である。48Niは28個の陽子と20個の中性子からなり、魔法数となっている[2]。ニッケルの同位体の原子量は48から78の間にある。 78Niの半減期は110ミリ秒であり、超新星爆発による元素合成により生成される、鉄以上の同位体として重要であると考えられている[3]。なお、この核種も魔法核である。

標準原子量は58.6934(2) uである。

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出典

参考文献

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