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ネオジムの同位体

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本稿では、ネオジム(Nd)の同位体について解説する。

概要

ネオジム同位体のうち、安定同位体(安定核種)は142Ndであり、現在の地球における天然存在比も約27%と、ネオジムの同位体の中で142Ndが最も多い。この他、143Nd、145Nd、146Nd、148Ndも一般には安定同位体とされていて、これらも現在の地球で天然に存在している。したがって、一般的にはネオジムには142Ndも含めて5種類の安定核種があるとされている。しかし、142Nd以外の4核種は、実は放射性核種である可能性が示唆されている(後述)。

142Ndよりも軽い同位体は電子捕獲陽電子崩壊を起こして、プラセオジムに変化することが一般的である。それらのうち、141Ndは141Prとなって安定するものの、さらに軽い140Ndなどはプラセオジムの同位体を経てさらに崩壊してゆく。また、131Nd、129Nd、128Nd、127Ndのような非常に軽い同位体は、まれに陽電子崩壊と共に陽子も1つ同時に放出してセリウムの同位体に変化する場合もあることが報告されている。これに対して、150Ndよりも重い同位体については、一般的にβ崩壊を起こしてプロメチウムの同位体に変化し、さらに崩壊する。なお、143Ndから150Ndまでについては後述する。

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地球上に現存するネオジムの同位体

現在の地球で天然に存在しているネオジムの同位体は、安定同位体の142Ndと、一般的に安定同位体として扱われる、143Nd、145Nd、146Nd、148Ndの4種と、非常に長い半減期(寿命)を持つことが知られていた放射性同位体144Nd、150Ndの2種の、合わせて7種類である。このため、長い目で見ると放射性同位体の存在度は減るので標準原子量も変化する。現在のネオジムの標準原子量は144.242uである。

なお、143Nd、144Nd、145Nd、146Nd、147Nd、148Nd、149Nd、150Ndの8つの同位体は、核分裂生成物として知られていて、これらの同位体も原子力発電所などで生成されている。

長寿命放射性同位体

ネオジムは、従来142Nd、143Nd、145Nd、146Nd、148Ndの5種類が安定核種とされてきたが、142Nd以外は安定核種ではなく長寿命放射性核種である可能性が指摘されている。143Ndは、139Ceへとα崩壊する可能性が指摘されており、145Ndも6×1016年以上の半減期で141Ceへとα崩壊する放射性核種だと見られている。そして、146Ndも、α崩壊を起こして142Ceとなって初めて安定する、長寿命放射性核種である可能性が指摘されており、148Ndも3.0×1018年以上の半減期で144Ceへとα崩壊すると考えられてきている。

一方、150Ndや144Ndは従来から放射性核種であることが知られていて、150Ndは約6.7×1018年の半減期で二重ベータ崩壊を起こして、150Smとなって安定するとされている。また、144Ndは2.29×1015年の半減期でα崩壊を起こして、140Ceとなって安定するとされている。その他の放射性核種の半減期は、全て11日以内で、そのほとんどは70秒以内である。なお、これらの他に核異性体も存在するが、それらももちろん安定な核種ではない。

以上のように、142Nd以外の全てのネオジムの同位体は、放射性同位体である可能性が指摘されている。

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さらに見る 同位体核種, Z(p) ...
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参考文献

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