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フィッシャーの方程式

ロナルド・フィッシャー(およびアンドレイ・コルモゴロフ)の名にちなむ偏微分方程式 ウィキペディアから

フィッシャーの方程式
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数学におけるフィッシャーの方程式(フィッシャーのほうていしき、: Fisher's equation)あるいはフィッシャー=コルモゴロフ方程式またはフィッシャー=KPP方程式として知られる方程式は、ロナルド・フィッシャー(およびアンドレイ・コルモゴロフ)の名にちなむ、次の偏微分方程式のことを言う:

Thumb
フィッシャー=KPP方程式の数値シミュレーション。解u(t,x)は色で表現され、進行波の理論速度に対応する傾斜がドットで表現されている。

フィッシャーはこの方程式を、優性アレルの空間伝播を表現するために提唱し、その進行波解を発見した[1]。任意の波速度 c ≥ 2 に対し、フィッシャーの方程式には次の形式で記述される進行波が存在する:

ここで は増加函数であり、

が成立する。すなわち、この解は平衡状態 u = 0 からもう一つの平衡状態 u = 1 へと移るものである。但し、c < 2 に対してはそのような解は存在しない[2][3][4]。与えられた波速度に対し、その波形は一意に定まる。

特別な波速度 に対して、すべての解は閉形式

で記述される[5]。ここで は任意であり、上述の極限についての条件は に対して成立する。

フィッシャーの方程式は、ことによると、半線型反応拡散方程式

の最も簡単な例かも知れない。ここでその方程式は、 で与えられる平衡状態の間を移る進行波解を見せるものである。そのような方程式は、例えば、生態学生理学燃焼結晶化プラズマ物理、および一般的な相転移の問題において現れる。

進行波解の存在の証明や、それらの性質の解析は、しばしば位相空間法によって行われる。

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参考文献

関連項目

外部リンク

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