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フェナントロリン

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フェナントロリン
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フェナントロリン(phenanthroline、phen)は、フェナントレンの炭素のうち2つを窒素で置換した複素環式化合物化学式は、C12N2H8、分子量は180.21g/molで、窒素の位置によりいくつかの構造異性体が存在する。そのうち 1,10-フェナントロリンが遷移金属に対するキレート配位子として用いられる[1]有機溶媒に溶けやすく、水に微量溶ける塩基性物質である。フェナントロリンの性質の一部は2,2'-ビピリジン英語版)と似ている。

概要 フェナントロリン, 識別情報 ...

1,10-フェナントロリンの(II) 錯体フェロイン (ferroin) と呼ばれ、電位の酸化還元指示薬標準酸化還元電位 E0 = +1.06 V) として滴定分析、吸光光度分析に用いられる試薬である。

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合成

フェナントロリンは、スクラウプ反応で合成することができる。硫酸触媒としてグリコールo-フェニレンジアミンを反応させ、ヒ酸水溶液またはニトロベンゼン酸化処理する[2]。グリコールの脱水によりアクロレインが生成し、アミンが付加、続けて環化が起こる。

フェロインと類似体

フェナントロリンの鉄(II)錯体はフェロインと呼ばれ、化学式[Fe(phen)3]2+で表される[3]。フェロインは酸化還元指示薬として用いられる。標準電極電位は+1.06Vである。還元されたフェロインはを、酸化されたフェロインはライトブルー英語版を呈する[4]。フェロインは細胞透過性があり、細胞内で金属プロテアーゼに対する酵素阻害剤として働く。

またニッケルの錯体([Ni(phen)3]2+)はピンク色をしており、Δ体とΛ体に分解する[5]アナログであるルテニウム錯体([Ru(phen)3]2+)は古くから生理活性があることが知られている[6]

出典

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