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フラグメント結晶化可能領域

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フラグメント結晶化可能領域
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フラグメント結晶化可能領域Fc領域、fragment crystallizable region)は抗体の尾部にあたる領域で、Fc受容体と呼ばれる細胞表面の受容体や補体系のタンパク質と相互作用する。

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パパインで消化された抗体からは、2つのFab領域英語版と1つのFc断片の計3断片が生成される
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ペプシンで消化された抗体は、F(ab')2断片英語版とpFc'断片の2つの断片を生成する。

概要

この性質により、抗体は免疫系を活性化することができる。抗体アイソタイプIgGIgAIgDにおいて、Fc領域は抗体を構成する重鎖2本の第2および第3の定常ドメインに由来する2つの同一タンパク質断片で構成されており、IgMおよびIgEのFc領域は各ポリペプチド鎖に3つの重鎖定常ドメイン(CHドメイン2-4)を含んでいる。[1][2] IgGのFc領域は高度に保存されたN-グリコシル化部位を持っている。[3][4] Fc断片のグリコシル化はFc受容体を介した活性に不可欠である。[5] この部位に結合するN-グリカンは主に複合型のコアフコース化2アンテナ型構造体である。さらに、これらのN-グリカンのうち少量については、二等分されたGlcNAcとα-2,6結合したシアル酸残基も持つ。[3]

Fab領域英語版と呼ばれる抗体のもう一方の部分には、抗体が結合できる特定の標的を定義する可変部分が含まれる。対照的に、あるクラスに属するすべての抗体のFc領域は、種よらず同じである。つまり、可変ではなく、一定である。従って、Fc領域は「フラグメント定常領域」と誤って呼ばれることもある。

Fcは、様々な細胞受容体補体タンパク質と結合する。このようにして、抗体のさまざまな生理作用(オプソニン化粒子英語版の検出、細胞の溶菌肥満細胞好塩基球好酸球脱顆粒英語版などの過程)を仲介する。[6]

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人工的に改変したFc断片

抗体医薬の分野では、免疫グロブリンのFc領域に抗原結合部位を持たせる改変を加えるという新たな試みが行われている[7]。この種の抗原結合断片英語版Fcab英語版と呼ばれていて、Fc領域を交換することにより完全な免疫グロブリンに挿入することができる。そのため、二重特異性抗体(Fab領域とFcab領域の両方が異なる結合部位を有する)を得ることができる。このような二重特異性モノクローナル抗体は、mAb2と呼ばれることもある[8]

関連情報

参照情報

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