有限和の場合
有限個の事象に関するブールの不等式は、帰納法を使って証明することができる。
の場合について当然

ということになる。
の場合に

であると仮定する。
であり、和集合演算は結合則を満たすため、

を得る。
そして、確率の第一公理によって、

であるため、

を得て、したがって

を得る。
一般の場合
確率空間における
中のいかなる事象に対しても、

となる、ことを示す。
確率空間の公理の1つは、
が確率空間の「交わりを持たない」部分集合であるならば

となるというものである。これは「可算加法性」と呼ばれる。
一方、
ならば、
であるから、確率分布の公理より、

である。(ここで留意すべきは、右辺のどちらの項も非負である、という点である。)
さて、集合
を、交わりを持たないよう変形する。

とすると、
は互いに素であり、また
であり、かつ

となる。
したがって、以下の式を演繹することができる。
