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マルバオモダカ

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マルバオモダカ
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マルバオモダカCaldesia parnassifolia)は、オモダカ科マルバオモダカ属に属する植物湖沼ため池などに生息する抽水植物である。種小名のparnassifoliaは、ラテン語で「parnassi(パルナッス山)+folia(葉)」という意味であり、パルナッス山のように丸い葉を持ったオモダカ、を意味している。

概要 マルバオモダカ, 分類(APG IV) ...
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分布

日本中国をはじめ、アジア大陸ヨーロッパ大陸オーストラリアなどに分布する。ただし日本やヨーロッパでは個体数が減少しており、多くの地域で絶滅危惧種に指定されている。また、スイスなどでは既に絶滅している[3]

日本では、池沼湿地の開発や水質の悪化に伴って個体数が減少しており、個体数は5000個体程度と推定されている[2]。そのため、環境省レッドデータブックでは絶滅危惧II類に指定されている。

形態、生態

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マルバオモダカの花
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マルバオモダカの殖芽
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マルバオモダカの種子

湖沼の周縁や、比較的深い場所(水深1m弱程度まで)に生息している。深いところでは浮葉を中心に展開するが、浅いところでは抽水葉を多くつける。葉は通常腎臓型だが、初期浮葉は卵形になるものもある。8月から9月にかけて、長さ50cm-1mほどの花茎を水上に伸ばす。また、水中に伸ばした花茎の、本来花序が出来る部位に殖芽(栄養繁殖体)を形成し、無性生殖的にも繁殖する[4]。これは一種のアポミクシスである。殖芽は茎から容易に外れ、種子同様水中に散布される。

花茎は円錐花序で、花柄は3輪生。各花柄の先に、3枚の花弁と6本の雄蕊、6-10本の雌蕊をもつ白い花をつける。花弁は白色で、花弁の縁には浅い切れ込みが入る。葯は黄色で、雌蕊の先と葯がほぼ同じ高さに位置する。

胚珠はむき出しになっており、受粉して種子が形成されたあとも、種子に雌蕊の痕跡が残る。種子には縦方向の溝がある。

受粉はミツバチなどの送粉者に頼っており、自家受粉隣家受粉による結実率は他家受粉に比べて低下する[5]

染色体数は2n=22[6]

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近縁種

同属に、中国などに生息する Caldesia grandis がいる。マルバオモダカと類似しているが、雄蕊の本数が9-12本になる点などで異なる[7]

利害

食用にはならず、特に利用されることはない。ジュンサイを栽培しているに生息していることもあり、その場合は水田雑草として扱われることもある。

脚注

参考文献

関連項目

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