t-区間 [a, b] 上の二階線型微分方程式系
の
個の解を考える。ただし
である。
は前進差分を表す作用素、すなわち
で与えられる作用素とする。二次の差分作用素は、この一次の作用素を
のように繰り返すことで得られ、より高次の差分についても同様に定義される。
以下では簡単のために独立変数 t を省略し、(a, b] 上では
が成立するものとする。このとき、次の等式が成り立つ[2]:
![{\displaystyle {\begin{aligned}x_{n-1}^{2}\Delta ^{n-1}(p_{1}r_{1})]_{a}^{b}&=\int _{a}^{b}(x_{n-1}^{\prime })^{2}\Delta ^{n-1}(p_{1})-\int _{a}^{b}x_{n-1}^{2}\Delta ^{n-1}(q_{1})-\sum _{k=0}^{n-1}C(n-1,k)(-1)^{n-k-1}\int _{a}^{b}p_{k+1}W^{2}(x_{k+1},x_{n-1})/x_{k+1}^{2},\end{aligned}}}](//wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/58b3b7f8e7f9192e1dd9e51512ded46fbe26a7d9)
ここで
は対数微分であり、
はロンスキアン、
は二項係数を表す。
のとき、この等式はピコーンの等式となる。
上の等式は三つの線型微分方程式に対して、ただちに以下の比較定理を導く[3]。これはスツルム=ピコーンの比較定理の拡張である。
i = 1, 2, 3 を、区間 [a, b] 上の実数値連続関数とし、



を三つの自己随伴形式の二階同次線型微分方程式とし、
が各 i および [a, b] 内のすべての t に対して成立するものとし、
は任意の実数とする。
[a, b] 内のすべての t に対して、
,
,

の成立を仮定する。このとき、[a, b] 上で
であり、
であるなら、任意の解
は [a, b] 内に少なくとも一つのゼロ点を持つ。