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モロクトカゲ

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モロクトカゲ
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モロクトカゲ(学名Moloch horridus)は、トカゲ亜目 イグアナ下目 アガマ科に分類されるトカゲの一種。オーストラリア砂漠に生息する固有種で、変わったトカゲとして知られる。トゲトカゲとも呼ばれる[1]。棘の多い姿が古代中東の人身御供の神モロク(モレク)を思わせることが名称の由来である[2]

概要 モロクトカゲ, 保全状況評価 ...
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形態

体長は15cmほどの小型のトカゲである。全身に円錐形の棘が並んでいるのが大きな特徴で、日本語での別名「トゲトカゲ」と、英名の"Thorny lizard"または"Thorny devil"もこのとげに由来する。

首の背中側には大きなこぶ状突起、偽の頭(false head)があり、鳥に襲われたときに切り離して身を守る[3]。また、この偽の頭は、本物の頭を下げることで囮となり、呑みこまれないためのものと考えられる[2]体色は褐色のまだらもようで、砂漠にまぎれる保護色となっている。暑いときの体色は明るく、涼しいときの体色は暗く変化する。また、移動する時は体を前後に揺らしながらゆっくりと歩き、風に吹かれる枝に擬態する特徴的な歩き方をする[3]。棘の多い姿で、これがモロクトカゲやトゲトカゲという名称の由来であるが、性質はごくおとなしい。

全身の皮膚には細い溝が走っており、これは全て口へ繋がっている。この溝は毛細管現象で水を吸い上げるので、体が少しでも濡れると水が口へ集まるようになっている。このためわずかなからも効率よく水分を摂取することができ、水の確保が困難な砂漠に適応している[2][3]

食性は肉食性で、もっぱらアリを捕食する。アリの行列を見つけると横で立ち止まり、短い舌をすばやくひらめかせてアリを捕食してゆく。一度に1000匹以上のアリを捕食することもある。いっぽう敵はノガンやゴアナ(Goanna・オーストラリアオオトカゲ)などである。

サバクツノトカゲなどツノトカゲ類と形態が類似するが、同じイグアナ下目ながら別の科に属し、それほど類縁関係が近くはない。サバクツノトカゲとは棘の多い外見のほか、砂漠に生息しアリを主食とする点で酷似するが、収斂進化による類似である。

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分布

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モロクトカゲの分布(黄緑色部分)

オーストラリア中部から西部にかけて分布し、ウルル周辺の砂漠に多く生息する。

生活環

9月から12月(オーストラリアでは春から夏)にかけてが繁殖期で、地下数十cmの所に3-10個ほど産卵する。卵は孵化までに3-4ヶ月ほどかかり、孵化した子供は自力で砂を掘り進み、地上へ姿を現す。

人間との関わり

オーストラリアでは固有の生物の輸出が厳しく規制されており、モロクトカゲも例に漏れず厳重に保護されている。

出典

外部リンク

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