静止限界
次に静止極限(
)を考える。
リンドハード公式は次のようになる。
.
分母と分子に上記の式を代入すると、

熱平衡におけるフェルミ-ディラックキャリア分布を仮定すると、

ここで
、
を用いた。
よって、

ここで
は
で定義される3次元遮蔽波数(3次元遮蔽長の逆数)である。
ここで3次元での静的に遮蔽されたクーロンポテンシャルは次のように与えられる。

またこの結果のフーリエ変換は、

これは湯川ポテンシャルとして知られる。
ここで、このフーリエ変換では基本的に「全ての」
についての和をとり、「各」
における小さな
についての表現を使用するのは正しくないことに注意。
3次元における静的に遮蔽されたポテンシャル(上の曲面)とクーロンポテンシャル(下の曲面)。
縮退したガス(T=0)において、フェルミエエネルギーは次式で与えられる。
,
よって密度は、
.
T=0では
、よって
。
これを上述の3次元遮蔽波数の式に代入すると、
. |
これは3次元におけるトーマス-フェルミ遮蔽波数である。
なお、デバイ遮蔽は非縮退極限の場合を記述する。結果は
であり、3次元のデバイ遮蔽波数である。