ある瞬間のナビエ-ストークス方程式からRANS方程式を導出するのに必要な基本的ツールは、レイノルズ分解である。レイノルズ分解とは流れの成分(例えば流速
など)を平均値(
)と変動量(
)に分ける操作である。
この平均操作には特性があり、その一つに変動量の平均値は0
というものがある。
この操作により
となる。
ここで
は位置ベクトル。
いくつかの文献
[3]
では(
はベクトルを表す際に用いられることがあるため)
の代わりに
と表記することがある。この場合変動量
は
と表わす。本項では表記
はそれぞれ瞬時、平均、変動量を表すものとする。
非圧縮粘性流体のナビエ-ストークス方程式をテンソル表記により表すと次のようになる。


ここで
は外力ベクトル。
次にそれぞれの瞬間物理量を平均値と変動量に分けることで、結果以下の式となる。
[4]


連続式 :
から運動方程式は以下のように変形できる。

さらに変形すると以下のようになる。
![{\displaystyle \rho {\frac {\partial {\bar {u_{i}}}}{\partial t}}+\rho {\bar {u_{j}}}{\frac {\partial {\bar {u_{i}}}}{\partial x_{j}}}=\rho {\bar {f_{i}}}+{\frac {\partial }{\partial x_{j}}}\left[-{\bar {p}}\delta _{ij}+2\mu {\bar {S_{ij}}}-\rho {\overline {u_{i}^{\prime }u_{j}^{\prime }}}\right]}](//wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/55d9b40bc4afefd0522f20e117de4068287863d5)
ここで
は歪み速度テンソルで、
である。
最後に、時間での積分により、時間依存性が削除されるため時間微分項を消去する。
![{\displaystyle \rho {\bar {u_{j}}}{\frac {\partial {\bar {u_{i}}}}{\partial x_{j}}}=\rho {\bar {f_{i}}}+{\frac {\partial }{\partial x_{j}}}\left[-{\bar {p}}\delta _{ij}+2\mu {\bar {S_{ij}}}-\rho {\overline {u_{i}^{\prime }u_{j}^{\prime }}}\right]}](//wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/1abc38e1557474fc40b63b261909fe3ded4d45b0)