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不感蒸泄

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不感蒸泄とは、発汗と異なり、本人も気付かないうちに受動的におこなわれる水分蒸散である。[1]表皮呼吸によって生じるが、狭義では皮膚からの蒸散のみを指すという意見もある。[2]

発汗と異なり失われる水分は純粋なもので、追加の溶質は含まれていない。[3]

不感蒸泄は体から失われる熱の主な原因であり 、[4]その量は1日あたり約480kcalとされ、[5]これは基礎熱産生の約25%に相当する。不感蒸泄は調節下にない。[4]

部位

1日あたり皮膚から放出される水分量は500~700mL、呼気として放出される水分量は150~450mL程度とされる。[6]

常温安静時には成人で1日に約900ml(皮膚から約600ml,呼気による喪失分が約300ml)とされる。[2]

体温

体温が1℃上昇すると、不感蒸泄の量は約15%増加するとされる。[6]

年齢

小児は新陳代謝が激しいため、また単位体重あたりの体表面積も大きいため、不感蒸泄量は25~30mL/kg/日ほどで、成人の2倍近くになる。[7]

湿度

湿度10%のときは湿度50%のときより3割ほど量が多い。[8]

歴史

ラテン語で「無感覚発汗(perspiratio insensibilis)」として知られるこの概念は[9]、古代ギリシャのガレノスにも既に知られており、近代ではヴェネツィアサントーリオ・サントーリオによって研究された。[10]サントーリオは自ら実験を行い、飲食物のかなりの部分が便や尿として排泄されず、体重にも加算されていないことを観察した。彼は自ら設計した椅子を通して、その減少量を測定することができた。[9]

関連項目

脚注

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