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使徒マタイ (ヴァン・ダイク)
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『使徒マタイ』(しとマタイ、蘭: De apostel Mattheüs、英: The Apostle Matthew)は、17世紀フランドル・バロック期の画家アンソニー・ヴァン・ダイクが1618-1620年に板上に油彩で制作した絵画である。現在、アントウェルペンにあるルーベンスの家に所蔵されている。
作品
作品には制作年が記されていないが、一般にヴァン・ダイクが1618-1620年に描いたと認められている。おそらく彼の師であるピーテル・パウル・ルーベンスの工房で、1610年ごろにレルマ公爵フランシスコ・ゴメス・デ・サンドバルの要請で制作された使徒連作に触発された可能性がある[1][2][3][4]。
本作は、ドイツの画商ユリウス・ベーレル (Julius Böhler) の名にちなむ「ベーレル連作」のうちの1点で、ベーレルが1914年ごろにイタリアの個人コレクションから購入したものである。ベーレルは、後に自身の作品を1点また1点と様々な美術館や個人に売却していった[1][2][3][4][5]。

ジュヌレ夫人の所有であった本作は、2016年にヤーコプ・ヨルダーンスの『自画像』とともにボードワン国王財団 に遺贈された。その後、本作はアントウェルペンのルーベンスの家に寄託された。現在、ベルギーにあるヴァン・ダイクの唯一の使徒像であるという点で、非常に重要な作品であると見なされている[1][2][3][4][5]。
マタイは徴税の仕事をしていたが、イエス・キリストに選ばれて使徒となった。「マタイによる福音書」はイエスに関する記述の詳しさから、彼を実際に知ることのできたマタイ本人が執筆したと考えられる。マタイが福音書を執筆する場面が描かれるときは、天使が付き添う姿で表される[6]。
本作は、使徒マタイを強いと同時に瞑想的な男性として提示している。彼は手にハルバードを持ち、マントの下に隠れている白いシャツを纏っている[1][4]。この作品には、ヴァン・ダイクの第一アントウェルペン時代の様式に典型的な要素を見出すことができる。すなわち、ヴァン・ダイクが統一的な画面の仕上げをすることを可能ならしめたゆるい筆致であり、それは部分的な厚塗りにより効果が高められている[1]。
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脚注
参考文献
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