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倍数接頭辞

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倍数接頭辞(ばいすうせっとうじ、英語: numeral prefixes, or number prefixes)は、英語において数を表すための接頭辞

用例

接頭辞にはラテン語、ギリシャ語(ギリシア語)、サンスクリット語[1]の3種類があるが、主に前者2つが使われる。

具体例としては以下がある:

こうした単語は「bicycle」のように19世紀以降の新しい技術に名前をつけるために導入されたものが多い。

本項では英語のものを述べるが、フランス語などヨーロッパ圏の言語では類似した接頭辞を用いることがある。

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倍数接頭辞の表

要約
視点

表の凡例:

Cardinal(基数詞
英語でいえば、 one, two, three, four, five にあたるもの
Multiple(倍数詞)
英語で言う once, twice, thrice にあたるもの
Distributive(配分数詞)
日本語でいう「…ずつ」。元来は one each, two eachone by one, two by two を意味したものだが、今日ではその意味は失われていることが多い。
Ordinal(序数詞
日本語で言う「第…」。first, second, third, fourth, fifth にあたるもの。分数詞、すなわち「N分の1」という意味も兼ねているが、1/2のものは特別な形をもつ。

100–900の接頭辞に関しては、ラテン語に由来する「-gent-」と、「centi-」から派生した「-cent-」に1–9の接頭辞を合わせたものとの2種類がある。

空欄は存在しないことを示す。

さらに見る 数, ラテン語 ...

補足

母音の脱落
倍数接頭辞の最後の母音は、母音で始まる語基の前では脱落する。ただし「bi-」は例外で、母音の前では「bis-」になり、他の単音節語である「du-」、「di-」、「dvi-」、「tri-」は母音の前でも変わらない。
ハイフン
倍数接頭辞の後ろにはハイフンを入れない場合が多いが、quarterdeckquarter-deckとも書くように例外はある。科学の標準であるIUPAC命名法SI接頭語ではハイフンを入れてはならないと決められている。辞書や本項目では、「duo-」のように最後にハイフンをつけることで接頭辞であることを明示する。
分数の接頭辞
sesqui-」はラテン語由来の接頭辞と組み合わせて1+12を表し(例えばsesquicentennial)、同様に「quasqui-」は1+14を表す。
不特定多数という意味の接頭辞
multi-」、「poly-」は、それぞれラテン語由来、ギリシャ語由来の接頭辞で、「many」を意味する(例:multilateral、polygon)。

上の表に載っていない接頭辞をいくつか補足する:

  • 2桁の接頭辞の作り方
    • ラテン語のCardinalの21、22、…に関しては「unvigint-」、「duovigint-」…と20を意味する「vigint-」より前に1桁目をつけたものが続く。それ以上大きいところでは、たとえば36が「trigintisex-」となるように、1桁目と2桁目が逆転しない。
    • ギリシャ語では「and」を意味する「kai」が使われる。例えば「icosikaihena-」「icosikaidi-」、「pentacontakaipenta-」など。これら、および10、20、30…では、「kai」が省略されることも多いが、triskaidekaphobiaは例外的に省略されない。なお「triskaidekaphobia」のように「deca」でなく「deka」になっているのは、ギリシャ語のκが「c」とも「k」とも書きうつされることによる。
  • その他の接頭辞
    • SI接頭語には「大きい」を意味する「mega-」のように数字に基づかない接頭辞や、倍数接頭辞penta-を変形させたpeta-などがある。
    • IUPAC命名法では数字に基づかない接頭辞である「meth-」、「eth-」、「prop-」、「but-」が使われることがある(メタンなど)。これらは数字による体系的な命名規則ができる前の名残で、語源は下記の通り:
      meth-
      メタンより。ギリシャ語でワインを意味する単語から派生したメチル (methyl) から名付けられた。
      eth-
      エタンより。Justus von Liebigが1834年名付けたエチルから名付けられた。
      prop-
      プロパンより。propionicから名付けられたが、propionic自身は接頭辞のpro-とギリシャ語でfatを意味する単語から名付けられた。
      but-
      ブタンより。バターを意味するラテン語から派生したbutyricからさらに派生したブチルより名付けられた。
  • 千年紀を表すmillenniumで倍数接頭辞のmilli-が使われていないのは、それと同語源のラテン語milleからきたためである。しかしながら、millenniumの語源は、千を意味する「mill-」と年を意味する「enn」であるから、そこにmill-の語源たるmilleがそのまま含まれているとは言えない[33]

接頭辞の混在

  • 化学分子の構造を表す接頭辞として用いられるIUPAC命名法では、11はラテン語とギリシャ語を混ぜて「undeca-」とし、20台は「-cos-」を用いる(例えば23は「tricos-」)。また1桁のものはギリシャ語を用いているが、9にあたる「nona-」のみラテン語である。
  • 位取り記数法ではCardinal、Multiple、Distributiveを混在させている。例えば、 binary, trinary, senaryoctal, decimal, vigesimal

2種類の系列で、同じ接尾辞を使ってもよい。例としては下記の接尾辞「-ry」:

primarysecondarytertiaryquartaryquintarysextarynonary
unitarybinaryternaryquaternaryquinarysenaryseptenaryoctonarynovenarydenary
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具体例

ラテン語の「Cardinal」を使っている例

  • unicycle, bicycle, tricycle, quadricycle
  • uniped, biped, triped, quadruped,[5] centipede, millipede

ラテン語の「Distributive」を使っている例

  • unary, binary, trinary, quaternary, quinary, senary, ..., vicenary, ..., centenary, ...
  • quinquagenarian, sexagenarian, septuagenarian, octogenarian, nonagenarian, centenarian, ..., millenarian

ギリシャ語を使っている例

関連項目

脚注

参考文献

さらに詳しく知るための資料

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