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傍腫瘍性神経症候群
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傍腫瘍性神経症候群(ぼうしゅようせいしんけいしょうこうぐん、paraneoplastic neurological syndrome PNS)とは悪性腫瘍の遠隔効果による神経筋疾患である。抗神経抗体の病態への関与が考えられている。
定義
腫瘍に関連する神経筋障害のうち、腫瘍の直接浸潤や転移、栄養、代謝、凝固障害、化学療法や放射線治療の副作用、日和見感染によらず、腫瘍の遠隔効果によるものと考えられるものを傍腫瘍性神経症候群(PNS)という。腫瘍の遠隔効果に関しては免疫介在性の機序によると考えられるものをPNSと呼ぶことが多い。特に肺小細胞癌(SCLC)によるものの報告が多い。
診断
要約
視点
2004年にPNSの診断ガイドラインがヨーロッパ神経学会(EFNS)とPNS Euronetworkの合同タスクフォースによって提唱された。このガイドラインはPNSを神経症候、抗神経抗体などから診断にアプローチするものである。神経症候ではPNSとして認知度が高い病型をclassical syndromeとし、PNSとして生じえる病型をNon-classical syndromeとして区別している。Classical syndromeでは抗神経抗体陰性であっても悪性腫瘍合併の可能性が考えられるとしている。抗神経抗体に関しては、通常の免疫組織学的染色パターンとリコンビナント蛋白を抗原とする免疫ブロット間の両者で特異性が確認できる、腫瘍に関連した多数の症例報告がある、抗体に関連して特徴的な神経徴候がみられる、腫瘍のない症例での陽性率知られているという条件を満たしているものをwell characterized onco-neural antibodyとしている。これらの条件を満たさないがPNSに関連していると報告されているものはpartially characterized onco-neural antibodyとしている。抗電位依存性カルシウムチャンネル抗体、抗電位依存性カリウムチャンネル抗体、抗ニコチン性アセチルコリン受容体抗体、抗NMDA受容体抗体などは腫瘍陰性例でも報告されているためAntibodies that occur with and without cancer associationとされている。
- 神経症候
中枢神経
末梢神経
神経接合部・筋
- well characterized onco-neural antibody
- partially characterized onco-neural antibody
- Antibodies that occur with and without cancer association
診断基準
- Definite PNS
- classical syndromeがあり、腫瘍の存在が神経症状発症から5年以内に確認された場合。抗神経抗体の有無は問わない。
- non-classical syndromeであり、同時に行った免疫学的治療ではなく腫瘍に対する治療が神経症状を改善させた場合。
- non-classical syndromeであり、抗神経抗体を認め、神経症状から5年以内に腫瘍が診断されている場合。
- well characterized onco-neural antibodyを有するが腫瘍をいまだに発見できない場合。
- Possible PNS
- classical syndromeであるが、抗神経抗体が陰性であり腫瘍が確認できないもの。5年以内に腫瘍が発見されなければ否定される。
- partially characterized onco-neural antibodyが陽性で腫瘍の存在を確認できない場合。
- non-classical syndromeで抗神経抗体が陰性だが神経症状発症から2年以内に腫瘍が確認された場合。
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参考文献
関連項目
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