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優加法性

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数学における数列 {an}n≥1優加法的(ゆうかほうてき、: superadditive)であるとは、不等式

を任意の m, n が満たすときに言う。優加法列を考える大きな理由として、フェケテ・ミハーイ英語版による次の補題が挙げられる。

補題 (Fekete)
任意の優加法的数列 {an}n≥1 に対し、極限 liman/n は存在して supan/n に等しい。

ここで「極限がある」というのは、正の無限大に発散する場合を含めて言う。例えば数列 an = logn! はそうである。

同様に、函数 f(x) が優加法的であるとは

f定義域に属する任意の x, y について満たすことを言う。

例えば平方函数 f(x) = x2 は任意の非負実数に対して優加法的である。実際、x, y がともに非負ならば、x + y の自乗は x の自乗と y の自乗との和よりも常に大きい。

フェケテの補題は、劣加法函数に関しても類似の定理が成立する。あるいは劣加法性の定義不等式を全ての m, n が満たすとは限らない場合に関しても、フェケテの補題を拡張することができる。またこれらの結果から、ある種の劣加法性と優加法性を併せ持つならば、フェケテの補題が存在を保証する極限への収斂の速さ (the rate of convergence) も知ることができる。この話題の良い説明が Steele (1997) にある[1][2]

f が優加法的函数で定義域に 0 を含むならば f(0) ≤ 0 である。実際、定義不等式を f(x) f(x + y) f(y) と変形して x = 0 とおけば f(0) f(0 + y) f(y) = 0 を得る。

優加法的函数の符号を反転したものは劣加法的である。

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優加法的函数の例

  • 相互情報量
  • ホースト・アルツァー[3]アダマール・ガンマ函数 H(x) が x, y 1.5031 なる任意の実数 x, y に対して優加法的であることを示した。

参考文献

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