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前置詞と冠詞の縮約

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前置詞と冠詞の縮約(結合、融合、短縮; 英、仏contraction)とは、ヨーロッパ諸言語において、特定の前置詞冠詞が連続するとき、それらが連結して一語となる現象のことである。縮約冠詞収縮冠詞または冠詞前置詞ともいう。

ドイツ語フランス語スペイン語イタリア語ポルトガル語カタルーニャ語ガリシア語アストゥリアス語にみられるが、その多寡や任意性は言語によりさまざまである。 ポルトガル語、ガリシア語では定冠詞不定冠詞のどちらも縮約を起こすが、その他の言語では定冠詞のみが対象となる。 中英語には at the が atte と縮約することがあった。

なお、以下の表では、縦軸に前置詞、横軸に冠詞を排列する。

ドイツ語

ドイツ語の縮約は他の言語と比べてあまり体系的でない。

さらに見る \, der ...
  • 縮約は義務的でない。
  • 定冠詞が強い意味を持つ場合には縮約しない。
  • 話し言葉では、aufm (auf dem), unterm (unter dem)なども使われる。

フランス語

さらに見る \, le ...
  • à, deの縮約は義務的である。ただしleがエリジオンを起こす場合(à l', de l')には適用されない。
  • aux, desは後続の母音とリエゾンする。
  • deの縮約形は部分冠詞・不定冠詞複数と共通。
  • enの縮約形は、en leの縮約形ouがauと混同されたことにより使用されなくなった[1]。現在はenに続く名詞はほとんどが無冠詞名詞のみである。
  • èsは大学・法律用語と地名にのみ用いる (例:docteur ès lettres: 文学博士)。

スペイン語

スペイン語の縮約は非常に限られている。

さらに見る \, el ...
  • 縮約は義務的である。

イタリア語

イタリア語では縮約が非常に発達している。

さらに見る \, il ...
  • a, da, di, in, suの縮約は義務的であるが、con, perについてはゆれがみられる。
  • ( )に入ったものはあまり使われないが、colla voceのような慣用表現で用いられることもある。
  • 後続語の語頭が母音のときエリジオンするものがあり、その場合「前置詞+定冠詞+後続語」が連結することになる。
  • gl' は後続語が i で始まるときにのみ用いられたが、現在では通常用いられない。
  • diの縮約形は部分冠詞と共通。
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ポルトガル語

ポルトガル語は不定冠詞も縮約を起こす点が特徴的である。

定冠詞

さらに見る \, o ...
  • 定冠詞の縮約は義務的である。

不定冠詞

さらに見る \, um ...
  • 不定冠詞の縮約は任意である。

カタルーニャ語

カタルーニャ語は男性定冠詞el、elsのみ縮約を起こす。

さらに見る \, el ...

ガリシア語

ガリシア語は不定冠詞も縮約を起こす点が特徴的で、定冠詞・不定冠詞とも義務的である。前置詞porと定冠詞の場合には定冠詞の第二形式が現れる。

定冠詞

さらに見る \, o ...

不定冠詞

さらに見る \, un ...

また、ガリシア語では前置詞と冠詞以外にも縮約がおこる。たとえば、前置詞と指示詞、前置詞と代名詞、指示詞と不定詞(動詞のinfinitivoのことではない)などである。

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アストゥリアス語

定冠詞

アストゥリアス語の定冠詞には中性形のloがある。

さらに見る \, el ...


また、アストゥリアス語では前置詞と冠詞以外にも縮約がおこる。たとえば、前置詞と指示詞、前置詞と代名詞、指示詞と不定詞(動詞のinfinitivuのことではない)などである。

参考文献

関連項目

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