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原卵黄目

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原卵黄目
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原卵黄目(げんらんおうもく、Prolecithophora)は扁形動物門の分類群の一つである。いわゆるウズムシであり、主に海洋でみられる微小(通常は全長0.2〜12mm)な仲間である。現時点で5科15属150種程度が知られ[1]、全世界的に生息すると考えられているが、温帯の浅海での研究がほとんどであるため、分布の詳細は不明。日本国内では2科5属7種と数種の未同定種が確認されている[1]。いわゆるメイオベントスであり、一部の種を除き、底から離れることはめったにないものの、幼体はプランクトンとして浮遊する場合もある。以前、新卵綱Neoophora真卵黄亜綱Eulecithophora)に属すとされていたグループのことであるが、近年、その上位分類が改定されつつある。

概要 原卵黄目, 分類 ...
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形態

腹側にある口の中にひだ状の咽頭または可変咽頭をもち、この咽頭を口から突出させることで捕食行動を行う。生殖腺卵黄腺に明確な分離がない。多くの種は体内で受精する雌雄同体であり、受精卵は共通生殖孔と呼ばれる性器から出てくる。一部の種はこの生殖孔と口が合体している。体型はおおむね卵型から紡錘型であり、他の扁形動物門の下位分類群と比べ、多彩な色素をもつ。

分類

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Plagiostomum nanhaiensis。Plagiostomidae科の一種。

2017年に行われた系統解析によれば、Protomonotresidae科は側系統であり、Pseudostomidae科は多系統であることが示されている。しかしながら、原卵黄目の下分類の研究は十分に進んでいない。

Multipeniatidae

Multipeniatidae科は主に汽水域にみられるグループ。可変咽頭は繊毛溝を欠く。1属を含有する。

Plagiostomidae

Plagiostomidae科は最も一般的な原卵黄目で、海洋の藻類上、付着生物群集内、間隙中でよくみられるグループ。海洋のみならず、淡水生のもののいる。2つまたは4つの眼をもち、これらは色素眼と呼ばれる。生殖腺と卵黄腺は分離し、対をなす。共通生殖孔は末端側に開口する。一部の種類は共通生殖孔が交尾のために反転する。8属を含有し、クロアミメウズムシイイジマナメクジムシツルギナメクジムシなどが含まれる。

Protomonotresidae

Protomonotresidae科は細長い体を持つグループ。繊毛溝を欠く。色素眼をもつものともたないものがいる。咽頭と生殖孔は前端で合わさる。2属を含有する。

Pseudostomidae

Pseudostomidae科は生殖腺がコンパクトで被膜があるグループ。1つの繊毛溝をもち、色素眼をもつものが多い。咽頭と生殖孔は合わさっている。なお、Lilianna属は、咽頭が腹側中央にあり、生殖孔は後方にある。12属を含有する。

Scleraulophoridae

Scleraulophoridae科は口と生殖孔が合わさって後方にあるグループ。

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参考文献

  • Andreas Schmidt-Rhaesa『Guide to the Identification of Marine Meiofauna』(英語版) 2020年2月18日

出典

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