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原棘鰭上目

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原棘鰭上目
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原棘鰭上目(げんきょくきじょうもく、Protacanthopterygii)は、真骨類の分類群の一つ。海水魚淡水魚双方を含む。およそ1億5,000万年前のジュラ紀後期から白亜紀にかけて進化したと考えられる。白亜紀を通して、原棘鰭上目や骨鰾上目に近縁と考えられる化石が発見されている[1]

概要 原棘鰭上目, 分類 ...
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形態と起源

中程度の進化段階の真骨類を含むグループである。形態的特徴としては、脊椎骨数が24を超えること、上椎体骨が軟骨性であること、眼上骨が1個であること、中烏口骨 (mesocoracoid)と脂鰭が存在すること、基舌骨歯が発達すること、上顎を突出できないこと、喉板 (gular plate) を持たないこと、肉間骨が基部で分岐しないことなどがある[1]

温帯域を好み、南半球に比べ北半球で遥かに多様性が高く、多くが広塩性遡河回遊魚も含むことから、このグループの祖先は北半球の沿岸か汽水域に暮らしていたと考えられる。祖先は淡水性の降河回遊魚であった可能性もあるが、基盤的な骨鰾類が海洋性であることを考慮するとこれは考えにくい。全北区には広く分布するのに対し、南半球では太平洋周辺のみで南アメリカ大西洋岸やアフリカに分布しないことから、ツルガイ海峡英語版近くのテチス海東方に起源を持つことが推測される[1]

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分類

要約
視点

1960年代後半にGreenwoodらによって提唱され[2]、正真骨亜区の中でもっとも原始的なグループとして位置づけられている。

分類体系は極めて不安定で、40年余りの間にその構成は何度も変更が加えられてきた[3]。当初はサケ目のみが設置され、その内部に4亜目が含まれる構成であったが、Nelson(1994)によりキュウリウオ目・カワカマス目が独立の目として扱われるようになった。ニギス目はかつてサケ目に含められていたが、Nelson(2006)により独立の目とされた[4]。Betancur-Rodriguez et al. 2016ではセキトリイワシ亜目とキュウリウオ目(Galaxiidaeを除く)が原棘鰭上目から除外され、ニギス目(かつてのニギス亜目)、Galaxiiformesカワカマス目サケ目の4目からなる構成となった。

カワカマス目を本上目から除外する見解もあった[5]。あるグループにおいて退化している形質が別の群では特化しているなど、分類形質が複雑に入り乱れていることが、体系を不安定なものにしている一因と考えられている[4]

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カワカマス科魚類の化石 Esox sp. (カワカマス目)。本科は白亜紀終盤に北アメリカで起きた大量絶滅K-T境界)を生き延びた一群と考えられている

系統

Betancur-Rodriguez et al. 2016では以下のような系統樹が得られている[6]

Otomorpha

セキトリイワシ目

Euteleostei 240mya
Lepidogalaxii

Lepidogalaxiiformes

原棘鰭上目

ニギス目

Galaxiiformes

カワカマス目

サケ目

Stomiati

キュウリウオ目

ワニトカゲギス目

Neoteleostei

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出典・脚注

参考文献

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