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原潜ヴィジル 水面下の陰謀
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『原潜ヴィジル 水面下の陰謀』(Vigil)は、イギリスBBCで放送されたミステリーのミニ・シリーズ。原案トム・エッジ、製作ワールド・プロダクションズ。6話で構成された本作は2021年8月からBBC 1で放送された[5][6]。サランヌ・ジョーンズ、マーティン・コムストン、ローズ・レスリー、ショーン・エヴァンスらが出演[6]。初回は1340万人もの視聴者を獲得し、イギリスで放送された新しいドラマでは2018年の『ボディガード ―守るべきもの―』以来の最高記録となった[7]。2022年3月にはBBCが第2シリーズの製作について発表し[8]、翌2023年3月にその概要を発表した[9]。
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梗概
第1シリーズ:原潜ヴィジル 水面下の陰謀
スコットランドの曳舟漁船マイリ・フィネア号が突如として姿を消した頃、海中を航行する架空のヴァンガード級原子力潜水艦ヴィジル号では乗員がヘロインの過剰摂取で死亡する事件が発生し、やがてこれらは警察と英国海軍と英国情報部を巻き込んだ国際問題へと発展していく。
第2シリーズ:ヴィジル2 謀略の軍事ドローン
スコットランドのダンデア英空軍[注 1]試験場で、中東のウディアン国のアル・シャウカ空軍基地と合同でデモンストレーションが行われていたが、そこで軍事用無人機が突如人間を攻撃し始め死傷者が発生した。この事故はやがて英国空軍とウディアンの組織が複雑に入り組んだ謀略を明かすこととなっていく。
登場人物
第1シリーズ
第2シリーズ
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製作
当作は『ライン・オブ・デューティ 汚職特捜班』や『ボディガード ―守るべきもの―』等のワールド・プロダクションズ製作の番組と同じスタイルである。2021年に行われたインタビューで脚本のトム・エッジはディヴェロップメント・プロデューサーのジョージ・エイザ=セリンガーにテレビ向けの潜水艦番組を展開するよう働きかけられた。本作はイギリスの常時海に展開している抑止力(Continuous At-Sea Deterrent: CASD)と潜水艦乗員の生活に着想を得ている[23]。そして撮影・設定ともにスコットランドであり、それに加えて英国海軍の架空のヴァンガード級原子力潜水艦ヴィジル号も舞台としている。製作デザイナーのトム・セイヤーが手の混んだスタジオのセットを製作し、潜水艦の内部はそこで撮影された[24]。
スタッフ
第1シリーズ
- 製作総指揮:トム・エッジ
- 脚本:トム・エッジ/エド・マクドナルド/チャンドニ・ラクハニ
- 監督:ジェイムズ・ストロング/イザベル・シーブ
- テーマ音楽:アグネス・オベル『Fuel to Fire』
第2シリーズ
日本語版スタッフ
各話リスト
第1シリーズ
第2シリーズ
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各国での放送
要約
視点
英国での放送
英国では毎週日曜夜21時からBBC 1で放送された。 第4話以降、ITVでは20時から22時に本作でグロウヴァー准尉役を演じるショーン・エヴァンス主演の『刑事モース』第8シリーズが放送されていたが、視聴率でそちらを抑えて首位に立った。
日本での放送
第1シリーズ
2021年11月24日よりAmazon Prime Videoチャンネル スターチャンネルEX ―Drama & Classics―およびスターチャンネルEX[4]にて吹替版・字幕版が12月29日までの毎週水曜に各話が順に配信された[3][55][56][57][58][59][60]。そして翌12月よりスターチャンネルでも吹替版・字幕版が放送された[61]。
第2シリーズ
2024年6月21日より毎週金曜日に字幕版がAmazon Prime Videoチャンネル スターチャンネルEXで毎週一話ずつ配信されること、8月に字幕版・吹替版がスターチャンネルで放送されることが5月21日に発表された[62]。
その他地域
- インド:LionsgatePlayで9月10日から配信されている[74][75]。
- ニュージーランド:2021年9月後半から、TVNZ’s TVNZとTVNZ On Demandにて配給された[76]。
- アメリカ合衆国:配信サービスPeacockで2021年12月23日から配信され、USA Networkで2022年1月3日からTV放映がされた[77]。
- ドイツ:2022年1月から、Arteにて「Vigil – Tod auf hoher See」の題で放送された[78]。
- フランス:ドイツと同様にArteで2022年1月13日から配信されている。
- オランダ:ストリーミング・サービスNederlandse Publieke Omroep(NPO)のプレミア・サービスNPOプラスで配信されている[79]。
- リトアニア:LRT Televizijaで放映された[80]。
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評価
要約
視点
イギリスでの視聴者数
第1話は放送から七日間で1020万人の視聴者数を獲得し、本作は2021年にBBCで最も視聴された新ドラマとなった[81]。
批評
『ガーディアン』紙のルーシー・マンガンは第1話を好奇心をそそるものとし、五つ星の評価をした上で「手堅く進む、昔ながらのエンターテインメント」と表現した[82]。『インデペンデント』紙は五つ星中四つ星の評価であったが、出演者とトム・エッジの脚本を褒め称えている[83]。ロンドンの『イヴニング・スタンダード』紙による四つ星評価の中で、ケイティー・ロセインスキーは「最深海を航行中の潜水艦を舞台にした場面で、照明が赤みがかっていたり青みがかっていたりし視覚的にも感銘を受けるものである。そこに飛び上がらせるような恐怖、ほんの一握りの大災害、そしていくつかある続きが気になるような謎で、興味深くも暗い最深部での緊張感漂う謎が生まれる。毎週日曜の夜はストレスでいっぱいだ――他のものでは味わえないだろう。」と述べた[84]。『エンパイア』誌に掲載された五つ星のレヴューで『ヴィジル』は「冷酷な陰謀を描いたドラマで、自らの持ち札をいかにして相手にさとられないかを知っている演者たちで溢れている」と説明された[85]。『ザ・タイムズ』紙のヒューゴ・リフキンドは「フーダニットを潜水艦で行った」ことは「見事な腕前だ」と評した[86] 。『フィナンシャル・タイムズ』紙で四つ星と評したスージー・フィエイは「潜水艦を舞台としたことは極めて一般的な材料から美味しい料理をつくるようなうれしい効果をもたらした」と述べた[87]。
他のレヴューはそこまで称賛をせず、非現実的なセットや技術的な不正確さ、脚本の非現実性や製作側の政治的偏見に焦点を当てている。『ザ・スペクテイター』紙のジェイムズ・デリングポールは本作を「素人らしい非現実的なもの」と評した上で「制服が間違っている。天井が高すぎるし潜水艦があまりにも雄大すぎる」と他の問題を指摘した上で、「使い古された言い回しに、信じがたい脚本と官僚主義的な確認手続きだ」と評した[88]。『ザ・テレグラフ』紙のアニタ・シングは本作を「とても悪くロシアのプロパガンダかもしれない」と評し、また同紙のエド・パワーも「話がナンセンスだ」とか「前提が無駄だ」などと付した[89][90]。『ザ・テレグラフ』紙はまた本作で海軍考証を担当した人物がスコットランド国民党の評議員であり反核兵器運動家であることで、偏見の告発を招いた」と報じた[91]。『ザ・タイムズ』紙のキャロル・ミドグリーは「標準レベルに達しない海を舞台としたドラマで私の心は沈んだ」と述べ、本作を「無能だ」と評した[92]。
FV・アンタレス号沈没事件
本作で描かれた架空の曳舟漁船マイリ・フィネア号の沈没事件は、FV・アンタレス号が英国海軍のトラファルガー級原子力潜水艦トレンチャント号(S-91)[注 5]によって1990年にクライド湾で沈没した事件を思い起こさせるものである。アトラス号の乗員の遺族はマイリ・フィネア号の沈没によって動転したと述べたが、BBCは本作が特定の事件に影響を受けたり元にしていたということを否定した[93][94]。
その他
Twitter上では、シルヴァ(Silva)主任警部とロングエイカー(Longacre)巡査部長の関係性に注目したタグ「silvacre」をつけた投稿が初日放送直後(英国時間8月29日午後10時7分)になされ[95]、それ以来ファン・フィクションなどを含め様々な投稿が行われている。この現象は主演の二人の耳にも入っていた[注 6]。
第1シリーズではシリーズ名と同名の原子力潜水艦が舞台であったが、第2シリーズには「Vigil」と名前がつくものは一切出てこない。しかし実際のスコットランド警察の紋章には「Semper Vigilo」の文言が記されている[97][98]。
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受賞
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関連項目
脚注
外部リンク
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